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CVE-2026-44550 Open WebUIの認証バイパス脆弱性とAI Security対策ガイド for LLMエンジニア

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: Medium (CVSS 5)
  • 対象: open-webui <= 0.8.12
  • 修正: 0.9.0
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 3分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 3分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分
STEP 4 修正を適用する 環境による
STEP 5 修正されたことを確認する 3分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-44550は、open-webui(オープンウェブユーアイ)という完全オフライン型AIプラットフォームのフォルダ作成機能で、攻撃者が他ユーザーのフォルダを不正に作成できる脆弱性です。これにより、LLMゲートウェイ運用者はアカウント管理に大きなリスクを負います。

やさしく説明すると

想像してください。あなたの家の郵便受けに他人の手紙が勝手に入る状態です。open-webuiでは、フォルダの作成時に本来サーバー側が管理すべきユーザーIDが、攻撃者の指定したIDに差し替えられてしまいます。つまり、攻撃者は自分以外のユーザーの名前を勝手に使える状態でフォルダを作れてしまうのです。

この問題は0.9.0で修正済みですが、それ以前のバージョンを使う場合は注意が必要です。

技術的な原因

この脆弱性はCWE-862(認証なしによるアクセス権の不足)に分類されます。open-webuiはPythonのPydanticライブラリを使い、データ検証を行っています。特に extra='allow' の設定は追加フィールドを無制限に許可します。

フォルダ作成時、サーバーが割り当てた user_id(ユーザー識別子)をフォームからのデータで上書きされてしまうため、攻撃者は任意のユーザーIDを指定して他者のフォルダを作成・編集できます。これは変数の上書きによる不適切な権限管理の典型例です。

影響を受けると何が困るか

  • 他人のアカウントにフォルダが作成され、権限管理が破綻する
  • LLMコンテキストの不正共有や顧客データの漏洩リスクが高まる
  • エージェントやAI Gatewayの多層構造で、悪意あるフォルダ追加による乗っ取りや誤動作を誘発する
  • バイブコーダー系ツール(Cursor, Cline, Copilotなど)の開発環境で誤作動・誤アクセスが発生する恐れ
  • AIプロンプトの改ざんや異議申し立てできない権限侵害によるコンプライアンスリスク

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディスト利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 中

判断根拠

  • CVSSスコアは5.0(Medium)です。実務的には、即時対応よりは計画的な修正で足ります。
  • EPSS(悪用予測スコア)は提供されていません。
  • ランサムウェアによる悪用観測は不明で、現在のところ報告されていません。
  • 公開PoCや攻撃コードはありません。悪用は確認されていません。
  • 攻撃条件は低権限ユーザーによるネットワーク経由での利用で認証は必要ですがユーザ操作は不要です。
  • 影響範囲はサーバースコープが変わるため、フォルダ所有者情報を不正に書き換えられます。

誰が動くべきか

  • open-webuiを本番で運用しているAI Gateway運用チーム
  • Agentフレームワークに統合している開発者
  • RAGパイプライン管理者
  • バイブコーダー開発者でopen-webuiを利用している方

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
open-webui 0.8.12以下 0.9.0以降

バージョン確認コマンド

Python(pip)

pip show open-webui

出力例:

Name: open-webui
Version: 0.8.12
Summary: Open WebUI - self-hosted AI platform
...

判定: バージョンが 0.8.12 以下なら脆弱。0.9.0 以上で安全。

Python(pip list)

pip list | grep open-webui

出力例:

open-webui                 0.8.10

判定: 0.8.12以下の場合は脆弱。パッチ適用が必要。

設定確認

本脆弱性は設定依存せず、open-webuiのバージョンが対象範囲内なら脆弱です。設定変更での回避手順はありません。

Nucleiテンプレートでの検出

現時点で本脆弱性を検出する公開Nucleiテンプレートはありません。バージョン確認で対応してください。

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python環境 (pip)

pip install --upgrade open-webui

出力例:

Successfully installed open-webui-0.9.0

判定: バージョンが 0.9.0 以上となり、修正済みです。

注意: パッチ適用前に必ずバックアップを取得してください。ステージング環境で動作検証し、不具合がないか確認してから本番に適用することを推奨します。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

公式の暫定対応は提示されていません。アップグレードできない場合は、ネットワーク制御で不要なPOSTアクセスを遮断し、open-webuiのフォルダ作成APIを保護してください。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3で実施したバージョン確認コマンドを再度実行してください。

期待される出力

Python(pip show)

pip show open-webui

出力例:

Name: open-webui
Version: 0.9.0
Summary: Open WebUI - self-hosted AI platform
...

判定: バージョンが 0.9.0 以上ならOK

追加で確認すべきこと

パッチ適用後、該当APIのログを監視して、不審なフォルダ作成リクエストが発生していないか確認してください。

補足: 悪用観測状況

現時点でCISA KEVカタログに本CVEは未登録です。また、公開PoCや攻撃コードもありません。ランサムウェアによる悪用情報も確認されていません。したがって実際の悪用は確認されていません。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV(攻撃元): NETWORK(ネットワーク経由で攻撃可能)
  • AC(攻撃複雑度): LOW(攻撃成功に高度な技術は不要)
  • PR(必要権限): LOW(低い権限のユーザーでも攻撃可)
  • UI(ユーザ操作): NONE(攻撃に利用者操作は不要)
  • S(スコープ): CHANGED(攻撃によりスコープが変わる)
  • C(機密性影響): NONE(情報漏洩は発生しない)
  • I(完全性影響): LOW(データ改ざんの可能性あり)
  • A(可用性影響): NONE(サービス停止の恐れなし)

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. まず自分の環境の open-webui バージョンを確認し(STEP 3)、対象バージョンなら 0.9.0 以降にアップグレードしてください(STEP 4〜5)。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. 公式の暫定対応はありませんが、APIへの不要なアクセスをネットワーク制御で遮断するなどの対策を検討してください。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. フォルダ作成APIのログを確認し、異常なuser_id指定を含むリクエストがないか調べてください。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは脆弱性の深刻度を示し、EPSSは実際に悪用される確率を示します。両方を見ることで対応優先度を正しく判断できます。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. CWE-862(アクセスコントロール不備)に関連する脆弱性は他にもあります。特にPydanticのextra='allow'設定を使うAPI周辺で似た問題が起きやすいです。

参考文献

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