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【高】CVE-2026-33760 Langflowの認証バイパスで他ユーザーデータ改竄リスク AI Security対策を解説

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: High (CVSS 8.8)
  • 対象: langflow < 1.9.0
  • 修正: 1.9.0
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-06-23 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 5分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 3分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分〜環境による
STEP 4 修正を適用する 10分〜環境による
STEP 5 修正されたことを確認する 5分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-33760は、LangflowというAIエージェント構築ツールのバージョン1.9.0未満で発見された脆弱性です。攻撃者は、認証済みの利用者であれば誰でも他ユーザーのメッセージやセッションといったデータを、所有権チェックなしに読み書き・削除できます。LLMゲートウェイ運用者にとって最優先で対応すべき欠陥です。

やさしく説明すると

この脆弱性は、たとえると「家の玄関に鍵はかかっているが、誰でも別の部屋の鍵を自由に使える」状態に近いです。ログやメッセージ、設定ファイルなど大切な個人データが、本来は本人だけがアクセスできるのに、他人が勝手に中を見たり消したりできてしまいます。攻撃者はそれを利用して、情報を盗んだり、サービスを壊したりできます。

技術的な原因

この問題はCWE-639(Authorization Bypass Through User-Controlled Keyの意、権限検査の不備)に該当します。Langflowの /api/v1/monitor 以下の7つのエンドポイントが、認証済みであることだけを確認し、要求元が該当のリソースの所有者かどうかを検証しませんでした。つまり、ユーザーIDやフローIDを指定すれば他ユーザーのデータにアクセス可能となり、権限のエスカレーションやデータ破壊が起こります。コード内には正しい所有権検査を行う実装もあるため、パターンの理解はあったものの漏れが原因です。

影響を受けると何が困るか

  • APIキーや認証情報が含まれるセッション・ログの漏洩
  • 顧客のLLMコンテキスト(対話履歴や機密情報)の盗難
  • エージェントの乗っ取りに繋がるプロンプト改竄
  • RAG(retrieval-augmented generation)データやモデル利用ログの改ざん
  • 請求コストの不正増大
  • テナント間での重要情報漏洩
  • AIコーディングツール(CursorやClineなど)経由の不正データ取得リスク
  • IDE拡張の遠隔操作リスク増加
  • .envファイル等秘匿情報の流出

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 高

判断根拠

  • CVSSスコアは 8.8(High)であり、ネットワーク経由で権限の低いユーザーが認証後に認可チェック突破し影響範囲が大きい
  • EPSS(悪用予測スコア)は提供されていないため、直近の悪用予測は不明
  • ランサムウェア悪用は「Unknown」で確認情報なし。現在のところ攻撃観測情報もない
  • 公開PoCやエクスプロイトは報告されていない(GitHub上・Exploit DBともに0件)
  • 攻撃に認証(低権限ユーザー)が必要だが、ユーザ操作は不要であり攻撃は比較的容易

誰が動くべきか

  • Langflowを利用しLLMエージェントやワークフローを開発・運用するエンジニア
  • AI GatewayやAgentフレームワークを導入し監視運用するSREやSecOpsチーム
  • CursorやCline、GitHub Copilot、Aider、Claude Code等のAIコーディングツールの導入利用者(間接的影響の可能性あり)
  • LLM ProxyやMCP Serverなどを組み合わせた独自AIシステムの保守担当者

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
langflow < 1.9.0 1.9.0

バージョン確認コマンド

Python (pip)

pip show langflow

出力例:

Name: langflow
Version: 1.8.5
Summary: AI-powered agents and workflows
Home-page: https://github.com/langflow/langflow

判定: Versionが < 1.9.0 なら脆弱

Python (pip list grep)

pip list | grep langflow

出力例:

langflow            1.9.1

判定: 1.9.0以上なら安全

設定確認

この脆弱性はAPIの認可チェック漏れによるもので、設定変更による緩和策は提供されていません。設定依存ではないため、バージョンが対象範囲なら脆弱です。

Nucleiテンプレートでの検出

現時点で公開Nucleiテンプレートは存在しません。基本的にバージョン確認で検出します。

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python環境 (pip)

pip install --upgrade langflow

判定: アップグレード後、バージョンが 1.9.0 以上になっていることを確認

注意: パッチ適用前に必ず現在の環境とデータのバックアップを取得してください。ステージング環境で動作検証を行い、本番環境のダウンタイム計画を立ててから適用しましょう。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

ベンダーから公式に暫定的な設定変更やWAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)ルールの案内はありません。ネットワーク分離や不要APIの無効化など運用で可能な最小権限管理を強化してください。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3で実行したバージョン確認コマンドをもう一度実施してください。

期待される出力

Python (pip)

pip show langflow

出力例:

Name: langflow
Version: 1.9.0
Summary: AI-powered agents and workflows
Home-page: https://github.com/langflow/langflow

判定: バージョンが 1.9.0 以上ならOK

追加で確認すべきこと

  • Nucleiテンプレートが利用できる場合は再検査を推奨(現時点では未提供)
  • ログに不審なAPIアクセスやデータ削除操作がないか監視し、過去の異常アクセスの手掛かりを調査

補足: 悪用観測状況

現時点でCISA KEVにも登録はなく、ランサムウェア等による悪用の確認はありません。GitHub上やExploit DatabaseにもPoC(実証コード)や悪用ツールは公開されていません。したがって、E2E(本番環境)での悪用事例は報告されていませんが、高CVSSであるため油断はできません。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV(攻撃元): NETWORK(ネットワーク経由で攻撃できる)
  • AC(攻撃複雑度): LOW(攻撃条件が整いやすい)
  • PR(必要権限): LOW(低権限の認証ユーザーで攻撃可能)
  • UI(ユーザ操作): NONE(攻撃にユーザー操作を必要としない)
  • S(スコープ): UNCHANGED(攻撃範囲は同一スコープ内)
  • C(機密性影響): HIGH(機密情報が重大に漏洩する)
  • I(完全性影響): HIGH(データ改ざんが起こりうる)
  • A(可用性影響): HIGH(サービス停止や破壊の可能性)

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. まずSTEP 3で脆弱なバージョンか確認し、該当する場合はSTEP 4でパッチ適用します。最後にSTEP 5で修正を確認してください。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. ベンダーは暫定対応を示していませんが、APIアクセスの制限やネットワーク分離、不必要な機能停止で被害範囲を限定してください。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. ログを詳細に解析し、不審なAPI操作や他ユーザーのデータにアクセス痕跡がないか調べてください。公式からのIOCsはありません。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは脆弱性の技術的深刻度を示しますが、EPSSは実際に悪用される確率を意味します。両方を見ることで対応優先度をより正確に判断できます。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. 同様の所有権チェック不備(CWE-639)によるIDOR/BOLA攻撃は他のAPIにも多く発見されており、APIのアクセス制御設計でよく起きます。

参考文献

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