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【高】CVE-2026-45804 Diffusersの信頼できないコード実行脆弱性を突くRCE危険性とAI Security対策ガイド

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: High (CVSS 7.5)
  • 対象: diffusers < 0.38.0
  • 修正: 0.38.0
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-07-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 3分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 5分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分〜環境による
STEP 4 修正を適用する 10分〜
STEP 5 修正されたことを確認する 3分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-45804は、AIモデルのDiffusersライブラリ(0.38.0未満)で、攻撃者が本来必要な認証なしに任意のコードを実行できる脆弱性です。LLM(大規模言語モデル)アプリケーション開発やAI Gateway運用者にとって非常に重要な問題です。

やさしく説明すると

Diffusersは事前学習済みのAI画像生成モデルを使うためのツールです。この脆弱性は、キャッシュの仕組みの隙間をついて、信頼していないカスタムコードを勝手に実行してしまう問題です。例えるなら、玄関の鍵がかかっているはずが、後から合鍵をこっそり作られてしまうような状況です。結果として、攻撃者はAIを制御し、重要な情報を盗んだり改ざんしたりできてしまいます。

技術的な原因

この脆弱性はCWE-367、「Race Condition(競合状態)」に該当します。DiffusersのDiffusionPipeline.from_pretrained関数が、trust_remote_code(信頼済みリモートコード)ガードを回避してしまいます。これは、download()関数がmodel_index.jsonやカスタムパイプラインコードを検証し、その後にキャッシュフォルダから実際にロードする際にフォルダが変更可能なためです。言い換えると、認証なしでリモートの悪意あるコードが実行される可能性があります。

影響を受けると何が困るか

  • APIキー(OpenAIやAnthropic等)が漏洩し、悪用される
  • LLMのコンテキスト情報(顧客データを含む)を攻撃者に盗まれる
  • プロンプトインジェクションによりAIエージェントが乗っ取られるリスク
  • モデルやRAG(検索強化生成)用の外部データが改ざんされる可能性
  • 不正処理により請求コストが急増する
  • テナント間での情報漏洩発生
  • AgenticフレームワークやAI Gatewayのインフラ全体に横展開される恐れ
  • AIコーディングツール(Cursor、Cline、Copilotなど)を通したローカルファイル読み取りや任意コード実行
  • IDE拡張機能の遠隔操作による作業環境破壊
  • .envファイルや認証情報が外部に流出するリスク

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 高

判断根拠

  • CVSS v3.1 スコアは7.5(High)で、リモートからネットワーク経由で影響を受けるが攻撃には高度な操作が必要で、ユーザ操作も要するため、即座に広範囲に悪用される危険性は限定的
  • EPSS(悪用予測スコア)は提供されておらず、現状での悪用観測や公開PoCは0件で実害は報告されていない
  • ランサムウェアなどの悪用事例は未確認(Unknown)
  • 攻撃者は、通常の呼び出しで発動するguard回避のタイミングを狙い、信頼されていないリモートコードを実行可能
  • ネットワーク攻撃が可能で、操作はユーザが特定条件で行う必要があるが、ユーザのAI駆動開発環境やサービス運用には大きなリスク

誰が動くべきか

  • LLMアプリケーション開発者及び運用エンジニア(Diffusersを利用している場合)
  • AI GatewayやAgentフレームワークを本番投入しているSRE/SecOpsチーム
  • AI駆動で開発しているバイブコーダー開発者(Cursor、Cline、Copilotなど)
  • MLインフラチームやRAGパイプライン保守者も対象

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
diffusers (Pythonパッケージ) < 0.38.0 0.38.0

バージョン確認コマンド

Python (pip)

pip show diffusers

出力例:

Name: diffusers
Version: 0.37.0
Summary: A library for pretrained diffusion models
...

判定: バージョンが 0.38.0 未満なら脆弱

Python (pip list)

pip list | grep diffusers

出力例:

diffusers 0.37.0

判定: 0.38.0 未満なら脆弱

設定確認

この脆弱性は特定の設定を必要とせず、バージョンが該当する場合は脆弱です。つまり、設定変更だけで回避できません。

Nucleiテンプレートでの検出

本CVEに関する公開Nucleiテンプレートは現在ありません。検出はバージョン確認で実施ください。

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python (pip)

pip install --upgrade diffusers

出力例:

Collecting diffusers
  Downloading diffusers-0.38.0-py3-none-any.whl (x MB)
Installing collected packages: diffusers
Successfully installed diffusers-0.38.0

判定: インストール後のバージョンが 0.38.0 以上なら修正済み

注意: パッチ適用前に必ず既存環境のバックアップを取得し、テスト環境で動作検証してください。アップグレードによる互換性問題に備え、ダウンタイムの計画を立てることも重要です。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

現時点で公式の暫定対応は提示されていません。暫定的には、ネットワークアクセスの制限や、信頼されないリポジトリからのモデルロードを防ぐ運用ルールの徹底が考えられます。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3 で実施したバージョン確認コマンドを再度実行します。

期待される出力

Python (pip)

pip show diffusers

出力例:

Name: diffusers
Version: 0.38.0
Summary: A library for pretrained diffusion models
...

判定: バージョンが 0.38.0 以上ならOK

Python (pip list)

pip list | grep diffusers

出力例:

diffusers 0.38.0

判定: 0.38.0 以上なら安全

追加で確認すべきこと

可能ならNucleiテンプレートの提供を待ち、検査ツールで再スキャンしてください。また、サーバーログに不審なモデル読み込みや通信がないか継続的に監視してください。

補足: 悪用観測状況

現時点では、CVE-2026-45804に関してランサムウェアを含む悪用観測や公開PoCコードは報告されていません。GitHub Advisory DatabaseやNVD Exploitタグにも該当なしです。引き続き公式情報の更新に注意してください。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV (Attack Vector=攻撃元): NETWORK – 攻撃者がネットワーク経由で攻撃できる
  • AC (Attack Complexity=攻撃複雑度): HIGH – 攻撃実行に高度な技術や条件が必要
  • PR (Privileges Required=必要権限): NONE – 攻撃に権限は不要
  • UI (User Interaction=ユーザ操作): REQUIRED – ユーザが何らかの操作をしなければならない
  • S (Scope=スコープ): UNCHANGED – 影響範囲は単一のコンポーネントに留まる
  • C (Confidentiality=機密性影響): HIGH – 機密情報が漏洩する可能性が高い
  • I (Integrity=完全性影響): HIGH – データの改竄が可能
  • A (Availability=可用性影響): HIGH – サービス停止などが発生する可能性が高い

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. STEP 3で自分の環境のdiffusersパッケージバージョンを確認し、STEP 4の手順で0.38.0以上にアップデートしてください。最後にSTEP 5でバージョンを再確認しましょう。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. 公式の暫定対応はありませんが、信頼できないモデルやコードの読み込みを避けるためネットワークアクセスの制限や運用ルールの強化が必要です。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. 公式のIOC(侵入指標)はまだ公開されていません。ログ監視で不審なモデルロードや外部通信がないか常に確認してください。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは脆弱性の深刻度を示しますが、EPSSは「実際に悪用される確率」を表します。両方を参考にすることで対応優先度を正確に判断できます。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. CWE-367(競合状態)に分類される類似の脆弱性は他製品でも見られます。Diffusersの他、LLM Proxy、Agenticフレームワーク等でも注意が必要です。

参考文献

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