CVE-2026-47128 nonoにおけるサンドボックス脱出の脆弱性対策ガイド AI SecurityとAgent開発者必見

結論
- 危険度: Medium (CVSS 6.1)
- 対象: nono-cli < 0.55.0
- 修正: 0.55.0
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-07-20 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 5分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-47128は、nono-cliというAIエージェントをゼロレイテンシで動かすソフトウェアの脆弱性です。バージョン0.55.0未満で、攻撃者は特定のローカルUnixドメインソケットを通してサンドボックスから簡単に脱出できます。このため、LLMゲートウェイやAgentフレームワークを運用する現場では最優先で対策すべきです。
やさしく説明すると
この脆弱性を例えると、守られているはずの部屋(サンドボックス)に「隠し扉」がありました。普通は開けられない扉ですが、古いバージョンのnonoはこの扉を知らないうちに開けてしまいます。攻撃者はこの扉を使い、部屋の外にある大事なシステムに勝手にアクセスできてしまいます。結果的に、本来守るべき情報や機能が攻撃者の手に渡る可能性があります。
技術的な原因
この問題はCWE-863(認証リプレイの不備)に分類されます。nonoが利用するLandlockやseccompというLinuxのセキュリティ機構のポリシーが、バージョン0.55.0以前ではローカルUnixドメインソケットへのアクセスを許可していました。このアクセスを通じて、攻撃者はsystemdのユーザーDBusソケットに接続し、サンドボックスの制限を回避できます。
影響を受けると何が困るか
- Agentフレームワーク経由で任意のホストコマンドが実行され、AI GatewayやSRE/SecOpsの制御が破られる
- LLM ProxyやRAGパイプライン運用中の機密データやプロンプト内容が漏洩する恐れ
- AIコーディングツール(Cursor, Cline, GitHub Copilot, Claude Code等)からローカルファイルの読み書きが可能になる
- IDE拡張やバイブコーダー開発中の環境が乗っ取られて、環境の完全性が損なわれる
- 請求コストの異常増加や複数テナント間で情報が混在してしまうリスク
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 中
判断根拠
- CVSS v3.1スコアは6.1のMedium(中程度)。攻撃はローカル権限が必要ですが、攻撃複雑度は低く、ユーザー操作は不要です。
- EPSSスコアは提供されていません。
- ランサムウェア悪用の観測は現在ありません。
- 公開されたPoCコードやリポジトリはありません。
- 攻撃には低権限ユーザーアクセスが必要なため、リモートからの攻撃はできません。
誰が動くべきか
- nono-cliを本番利用しているAI Gateway運用チームやLLM Proxy保守者
- Agentフレームワーク(LangChain/AutoGen等)内でnonoを組み込んでいる開発者・SRE
- バイブコーダー開発者でnonoを使用し、ローカルLinux環境を管理している方
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| nono-cli | < 0.55.0 | 0.55.0 |
バージョン確認コマンド
Python(pip)環境
pip show nono-cli
出力例:
Name: nono-cli
Version: 0.54.3
Summary: AI agents zero-latency sandbox runner
...
判定: 0.55.0未満の場合は脆弱。安全なバージョンに更新してください。
Python(pip list)検索
pip list | grep nono-cli
出力例:
nono-cli 0.54.3
判定: バージョン数字が 0.55.0未満なら脆弱です。
Node.js(npm)環境
npm list nono-cli
出力例:
└── nono-cli@0.54.3
判定: 0.55.0未満の場合、修正が必要です。
Docker環境
docker images | grep nono-cli
出力例:
nono-cli 0.54.2 sha256:xxxxxx
判定: タグが 0.55.0以上であれば安全です。
設定確認
本脆弱性はnonoのLandlock/seccompポリシーに起因しますが、設定変更で回避可能な情報はありません。設定依存ではないため、バージョンが対象範囲なら脆弱です。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python(pip)環境でのアップグレード
pip install --upgrade nono-cli
出力例:
Successfully installed nono-cli-0.55.0
Docker環境でのイメージ更新
docker pull nono-cli:0.55.0
docker stop
docker rm
docker run --name nono-cli nono-cli:0.55.0 [options]
注意: 本番環境のアップデート前に必ずバックアップを取得し、ステージング環境で事前動作検証を実施してください。ダウンタイム計画も欠かさず行ってください。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
残念ながら、公式の暫定対応は提示されていません。可能な限りnono-cliの使用を制限し、信頼できるエージェントのみ稼働させてください。また、ネットワークやシステムの分離を強化し、ローカルソケットへのアクセス権限を制限してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で実行したバージョン確認コマンドを再度実行してください。
期待される出力
Python(pip)環境
pip show nono-cli
出力例:
Name: nono-cli
Version: 0.55.0
Summary: AI agents zero-latency sandbox runner
...
判定: バージョンが 0.55.0以上ならOKです。
Python(pip list)検索
pip list | grep nono-cli
出力例:
nono-cli 0.55.0
判定: 0.55.0以上を確認してください。
追加で確認すべきこと
公開されたNucleiテンプレートはありませんが、ログ監視で疑わしいsystemd-runコマンドの実行記録や異常アクセスがないか確認してください。悪用の兆候があれば即時調査と隔離を行いましょう。
補足: 悪用観測状況
2026年7月時点で、CISA KEVには登録されておらず、ランサムウェアグループによる悪用は確認されていません。公開PoCコードやエクスプロイトも確認されていません。したがって現状では悪用報告はありませんが、Local権限ユーザーが操作可能な環境での使用は注意が必要です。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV(Attack Vector / 攻撃元): LOCAL (ローカルからの攻撃)
- AC(Attack Complexity / 攻撃複雑度): LOW (攻撃は単純)
- PR(Privileges Required / 必要権限): LOW (低権限ユーザー権限で可能)
- UI(User Interaction / ユーザー操作): NONE (ユーザー操作は不要)
- S(Scope / スコープ変更): UNCHANGED (影響範囲は変わらず)
- C(Confidentiality / 機密性影響): NONE (機密性は影響なし)
- I(Integrity / 完全性影響): HIGH (攻撃で改ざんが可能)
- A(Availability / 可用性影響): LOW (サービス停止の可能性あり)
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3~5を実施して、nono-cliのバージョンが 0.55.0以上かを確認し、安全なバージョンに更新してください。具体的なコマンドは本記事に掲載しています。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. STEP 4の暫定対応を実施してください。nono-cliの使用制限やネットワーク分離、アクセス権限の強化でリスクを低減してください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. systemd-run コマンドの不審な利用ログや、予期しないファイル作成をログ監視で確認してください。現時点で公式IOCはありません。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは脆弱性の深刻度を示しますが、EPSSは「実際に悪用される可能性」を示します。両方を確認することで優先的な対応判断が可能です。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-863(認証リプレイの不備)に関連する脆弱性が類似例としてあります。特にサンドボックスやLinuxのシステムソケットをターゲットにしたものです。
参考文献
- NVD – CVE-2026-47128 詳細
- GitHub Advisory Database – GHSA-27vp-2mmc-vmh3
- Debian Security Tracker – CVE-2026-47128
- Tenable – CVE-2026-47128
- Snyk Vulnerability DB – CVE-2026-47128
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