【高】CVE-2026-67428 Flyto2 Coreにおけるリモートコード実行(RCE)脆弱性の危険性とAI Security対策ガイド

結論
- 危険度: High (CVSS 8.5)
- 対象: (詳細はベンダーアドバイザリ参照)
- 修正: ベンダーアドバイザリ参照
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-07-29 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 5分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分〜環境で変動 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-67428はFlyto2 Coreに存在するSSRF(サーバサイドリクエストフォージェリ)の脆弱性です。攻撃者は認証済みでも、エージェントやAPIを介して内部システムやメタデータに不正アクセスできます。LLMゲートウェイやAI Agentフレームワークの運用者にとって最優先対応が必要な問題です。
やさしく説明すると
Flyto2 Coreの一部には、誰かが「勝手に内部の住所を指定して通信できる玄関」がありました。カギをかけ忘れた玄関のように、外部から内部の大事な情報にアクセスされる危険があるのです。攻撃者はこの「カギのない玄関」を使い、社内の秘密情報やAPIに不正に情報を取りに行けました。つまり、あなたのAIシステムの「裏口」が開いている状態です。
技術的な原因
この脆弱性はCWE-918「サーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)」に分類されます。Flyto2 Coreの HTTP通信モジュール群は、内部URLにアクセスする前に環境設定による検証(validate_url_with_env_config)を行っていませんでした。そのため、エージェントやAPI経由で呼び出し元がURLを自由に指定でき、内部のメタデータやシステムAPIに不正アクセスが可能でした。
「validate_url_with_env_config」とは、本来であれば外部からのリクエスト対象のURLを安全に制限・検証する関数のことです。これを省略したことで、内部向けの重要情報にアクセスを許す設計ミスが生じています。
影響を受けると何が困るか
- APIキー(OpenAIやAnthropicなど)の漏洩により、攻撃者が不正利用や追加請求を招く
- LLMのコンテキスト情報(顧客の機密データなど)を盗まれる恐れがある
- AI Agentやエージェントフレームワークの乗っ取り、悪用につながる
- RAG(Retrieval-Augmented Generation)パイプラインのデータ改ざんや、不正操作が可能になる
- クラウド環境のメタデータサービス(認証情報や設定情報)へのアクセスによる広範な侵害
- AI駆動型コーディングツール(Cursor、Cline、GitHub Copilotなど)経由でローカルファイル読み取りなどのリスク
- Agenticなワークフローへの横展開により、インフラ全体が危険にさらされる
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 高
判断根拠
- CVSS v3.1スコアは8.5(High)。実務的には「計画的な早期対応」が必要です。
- EPSS(悪用予測スコア)は提供されていませんが、公開PoCも0で悪用はまだ観測されていません。
- ランサムウェアの悪用は現時点で不明(Unknown)ですが、SSRFの性質上内部侵害につながるため警戒が必要です。
- 攻撃はネットワーク越しに実行可能(AV:N)、攻撃の複雑さは低く(AC:L)、低権限ユーザでも実行できる(PR:L)、ユーザ操作は不要(UI:N)で脆弱性の影響範囲が変化します(Scope: Changed)。
- つまり、外部から容易にアクセス可能なAPI経由で、認証済みユーザーが不正に内部APIへアクセス可能な状態であるという意味です。
誰が動くべきか
- Flyto2 Coreを利用しているLLM Gateway運用チーム(Agenticワークフロー構築者含む)
- Agentフレームワーク開発者やAI Agentワークフロー管理者
- AI/LLMアプリケーションを安全に運用しているSREやSecOpsチーム
- バイブコーダー開発者(Cursor、Cline、CopilotなどAI駆動開発ツール利用者)も影響可能性を検討
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| Flyto2 Core | ~2.26.6 | 2.26.7以降 |
バージョン確認コマンド
Python (pip)
pip show flyto-core
出力例:
Name: flyto-core
Version: 2.26.6
Summary: Flyto2 Core execution kernel
判定: Versionが 2.26.7未満 なら脆弱です。
Python (pip list)
pip list | grep flyto-core
出力例:
flyto-core 2.26.6
判定: 2.26.7未満 の場合は脆弱です。
設定確認
本脆弱性はHTTPモジュールで呼び出し先URLの妥当性検証を正しく行わなかったことによります。設定依存ではありません。バージョンが対象範囲内であれば脆弱です。
Nucleiテンプレートでの検出
現時点で公開されているNucleiテンプレートはありません。検出はバージョン確認に限定してください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python (pip)でのアップグレード例
pip install --upgrade flyto-core
判定: インストール後、バージョンが 2.26.7 以上になれば適用成功です。
コンテナ環境でのイメージ入れ替え例
docker pull flytohub/flyto-core:2.26.7
docker stop flyto-core-container
docker rm flyto-core-container
docker run -d --name flyto-core-container flytohub/flyto-core:2.26.7
判定: コンテナの起動ログにエラーが出なければ成功。
注意: パッチ適用前には必ず環境のバックアップを取得し、ステージング環境で動作検証を行ってください。ダウンタイム計画も忘れずに。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
公式の暫定対応は未提示です。サーバサイドのHTTPリクエストの呼び出し時に検証を強制するカスタムラッパーの導入や、ネットワークレベルでの内部向けURLのブロックを検討してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3のバージョン確認コマンドをもう一度実行してください。
期待される出力
Python (pip)
pip show flyto-core
出力例:
Name: flyto-core
Version: 2.26.7
Summary: Flyto2 Core execution kernel
判定: バージョンが 2.26.7 以上ならOKです。
Python (pip list)
pip list | grep flyto-core
出力例:
flyto-core 2.26.7
判定: バージョン 2.26.7 以上なら安全です。
追加で確認すべきこと
Nucleiテンプレートがないため、再検査はバージョン管理が基本です。ログに不審な内部APIアクセスがないか監視を強化してください。
補足: 悪用観測状況
2026年7月時点で、CISAのKEV(Known Exploited Vulnerabilities)カタログには未登録で、ランサムウェアグループの悪用報告もありません。GitHub上のPoCコードも見つかっていません。しかし、SSRFは広く悪用されやすい脆弱性であり、早期の対応を推奨します。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV (Attack Vector): NETWORK – ネットワーク経由で攻撃可能
- AC (Attack Complexity): LOW – 攻撃は複雑でなく容易
- PR (Privileges Required): LOW – 低い権限でも実行可能
- UI (User Interaction): NONE – ユーザ操作不要
- S (Scope): CHANGED – 攻撃によりセキュリティ領域が変化
- C (Confidentiality Impact): HIGH – 情報漏洩の影響が大きい
- I (Integrity Impact): LOW – 改ざん被害の可能性あり
- A (Availability Impact): NONE – 可用性への影響はなし
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で対象バージョンかを確認し、STEP 4で2.26.7以降にアップデートしてください。対象外なら対応不要です。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. カスタムでURL検証を強化したり、ネットワークレベルで内部向けリクエストを遮断する暫定対応を検討してください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. システムログの内部APIへの異常アクセスや、認証済みユーザーによる不審なURLリクエスト履歴を確認してください。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは理論的なリスク評価ですが、EPSSは実際に悪用される確率を示します。両者を参照すると対応優先度判断が正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. SSRFに分類されるCWE-918の問題は類似が多く、特にAPIゲートウェイやAgentフレームワークで注視が必要です。
参考文献
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