CVE-2026-70478 Flowiseの認証なしOAuthトークン再発行で情報漏洩の脆弱性 AIセキュリティ対策とLLMエンジニア必読の対応手順

結論
- 危険度: 情報なし
- 対象: flowise <= 3.1.2
- 修正: 3.1.3
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-08-04 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 5分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分〜 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 15分〜 |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 5分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-70478はFlowiseの古いバージョン(3.1.2以下)で発生する認証不要のOAuth2トークンリフレッシュ機能の脆弱性です。攻撃者は認証なしでユーザーの接続サービスのアクセストークンを盗めます。Flowiseを運用するLLMゲートウェイ担当者は最優先で対応すべき脆弱性です。
やさしく説明すると
この脆弱性は、玄関の鍵をかけずに中に入れるような状態です。具体的には、通常ログインが必要な場所にパスワード無しでアクセスできてしまいます。攻撃者が一度でも認証情報のIDを知っていれば、その人のサービスにログインしたのと同じ状態になり、秘密の情報に自由にアクセスできます。結果として、AIを使ったアプリやサービスの信用が大きく傷つきます。
技術的な原因
FlowiseのOAuth2トークンリフレッシュAPI(POST /api/v1/oauth2-credential/refresh/:credentialId)が認証なしで呼び出せるホワイトリストに含まれていました。つまり、リクエストするだけで保存されているクライアントシークレットやリフレッシュトークンを使ってアクセストークンを更新し、その新しいアクセストークンをレスポンスで返します。
この問題はCWE-200(情報漏洩)に該当します。攻撃者はこのエンドポイントを悪用し、正規ユーザーになりすましたアクセスが可能です。初見ではAPIの認証制限ミスにより十分な安全管理が欠如したことが原因とわかります。
影響を受けると何が困るか
- APIキー(OpenAIやAnthropic等)の漏洩と悪用
- LLMコンテキスト情報や顧客データの窃取
- プロンプトインジェクションを介したエージェントの乗っ取り
- RAG(検索強化生成)データやモデルパラメータの改ざん
- コスト管理不能による請求金額の爆増
- テナント間の情報漏洩による多顧客影響
- インフラ全体への権限昇格や横展開攻撃
- AI駆動開発ツール(Cursor、Clineなど)経由での不正ファイル読み取り・任意コード実行
- IDE拡張機能のリモート操作リスク
.envファイルや認証情報の不正取得
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディスト利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 中
判断根拠
- CVSSスコア情報が現時点で無いため、数値評価はできませんが、トークン漏洩は深刻な情報漏洩につながります。
- EPSS(悪用予測スコア)は未提供で、ランサムウェア悪用も不明です。
- 公開PoCコードは現在確認されていません。
- 攻撃にはCredential IDが必要ですが認証なしでアクセストークン取得が可能なため、悪用は比較的容易です。
- 脆弱なFlowise 3.1.2以下のバージョンが対象で、認証機構の抜け穴を突く典型的な認証バイパスです。
誰が動くべきか
- LLMゲートウェイやカスタムフロー管理にFlowiseを運用しているSRE/SecOpsチーム
- AgentフレームワークやRAGパイプライン構築者
- AI駆動開発ツールをFlowise連携で利用しているバイブコーダーおよび開発チーム
- AI Securityポリシー策定者やインフラ管理者
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| flowise (npmパッケージ) | 〜3.1.2 | 3.1.3 |
バージョン確認コマンド
Node.js(npm)
npm list flowise
出力例:
flowise@3.1.2
└── (省略)
判定: バージョンが 3.1.2 以下なら脆弱。3.1.3 以上なら安全。
Node.js(package.json)
cat package.json | grep flowise
出力例:
"flowise": "^3.1.0",
判定: ここに指定されたバージョンが 3.1.2 以下なら脆弱である可能性。
設定確認
この脆弱性は認証機構の抜け穴に起因するため、設定変更で完全に回避は困難です。よって設定依存ではないため、バージョンが対象範囲なら脆弱です。
Nucleiテンプレートでの検出
現時点で公開Nucleiテンプレートは存在しません。バージョン確認が主な検出手段です。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Node.js(npm)
npm install flowise@3.1.3
判定: バージョンが 3.1.3 以上にアップデートされていれば修正済み。
注意: アップデート前に必ず現在の環境をバックアップしてください。開発と本番環境で動作検証を行い、ダウンタイム計画を整えてください。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
現状、ベンダーから公式に提示された暫定回避策はありません。APIの呼び出し元制限やWAF設定で /api/v1/oauth2-credential/refresh/* への認証なしアクセスを遮断することが暫定的な防御になります。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で利用したバージョン確認コマンドを再度実行してください。
期待される出力
Node.js(npm)
npm list flowise
出力例:
flowise@3.1.3
└── (省略)
判定: バージョンが 3.1.3 以上ならOKです。
追加で確認すべきこと
- ログ監視で
/api/v1/oauth2-credential/refresh/:credentialIdへの不審な認証なしアクセスがないか確認してください。 - 可能であれば、WAFログも合わせて確認し、攻撃の兆候を見逃さないようにします。
補足: 悪用観測状況
CVE-2026-70478に関して、公開されたPoCコードは現在存在しません。GitHub Advisory Databaseによると脆弱性はCriticalですが、CISA KEVリストには未登録でランサムウェアによる悪用例も確認されていません。今後の情報更新に注意が必要です。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV(攻撃ベクター): N/A(未公開)
- AC(攻撃難易度): N/A
- PR(必要権限): N/A
- UI(ユーザーの関与): N/A
- S(影響範囲): N/A
- C(機密性): 情報漏洩につながる重大な影響
- I(完全性): 関連トークン悪用による改ざんリスク
- A(可用性): 影響なしまたは軽度
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で自環境のflowiseバージョンを確認し、3.1.2以下であればSTEP 4のアップデート手順に従って3.1.3へ修正してください。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. APIエンドポイントへの認証なしアクセスをWAFやAPIゲートウェイで遮断し、ネットワーク制限を強化してください。これは暫定的回避策です。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. サーバログやAPIアクセスログで認証なしのトークンリフレッシュ要求がないか監視してください。不審なリクエストがあれば詳細調査を強化しましょう。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは技術的な深刻度を示しますが、EPSSは実際に悪用される確率を示します。両方を確認すると対応の優先順位が正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. 同じCWE-200の情報漏洩系脆弱性はOAuth関連APIで過去にも発見されています。認証不足のAPIは特に注意してください。
参考文献
- GitHub Advisory Database – flowise GHSA-qgvm-j2hm-6m38
- NVD – CVE-2026-70478
- GitHub Advisory Database検索結果(CVE-2026-70478)
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