CVE-2026-44694 n8n-MCPで発見された認証済みSSRF脆弱性とAI Security対策手順ガイド

結論
- 危険度: 情報なし
- 対象: n8n-mcp >= 2.18.7, < 2.50.2
- 修正: 2.50.2
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-05-12 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 5分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分~環境による |
| STEP 4 | 修正を適用する | 15分~ |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 5分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-44694はn8n-mcpというAI支援ツールのサーバーにある認証済みSSRF(サーバサイドリクエストフォージェリ)脆弱性です。攻撃者は認証済み状態でサーバー内部の情報を勝手に取得できます。AI Gateway運用者にとっては最優先対応事項です。
やさしく説明すると
これは「家の中の電話が勝手に外に電話をかけてしまう」ような問題です。認証済みユーザーであっても、サーバーが攻撃者の指示通りに外や内部のサービスへ通信を行います。これによって、侵入者が見せたくない情報を不正に抜き取れます。玄関の鍵は開いているわけではなく、家の中の電話が悪用される状態とイメージしてください。
技術的な原因
CWE-367は「競合状態(Race Condition)」を示します。n8n-mcpのマルチテナントHTTPモードで、認証済みのAPI呼び出し経路に不正なURLが送られ、それがサーバーで外部リクエストに変換されてしまいます。CWE-918「サーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)」は、本来許されない外部や内部ネットワークへのHTTPリクエストをサーバー側が実行してしまう問題です。攻撃者はこの脆弱性を利用してクラウドのメタデータサービスや内部APIにアクセスし、認証情報を盗み出せます。
影響を受けると何が困るか
- APIキー(OpenAIやAnthropicなど)やクラウド認証情報の漏洩
- LLMコンテキストの窃取(顧客データやプロンプト情報を含む)
- プロンプトインジェクションを介したAgentの乗っ取り
- モデルやRAGデータの改ざんリスク
- 請求コストの異常増加
- テナント間情報漏洩(マルチテナント環境の分離破壊)
- インフラ全体への横展開攻撃の足がかり
- AIコーディングツール(CursorやCline等)経由のローカルファイル読み取りの可能性
- IDE拡張機能を通じた不正リモート操作
- .envファイルや認証情報の漏洩
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディスト利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 低
判断根拠
- CVSSスコア: 未公開(スコアなし)。従って明確な高危険度判定はできず、中〜低リスク相当。
- EPSSスコア:
0.03%(パーセンタイル9.7%)。直近30日での悪用予測は非常に低い。 - ランサムウェア悪用: 不明。CISA KEVに未登録、悪用観測はなし。
- 公開PoC数: なし。GitHubやExploit DatabaseへのPoC登録は確認されていない。
- 悪用条件: 認証済みユーザーによる利用が必要で、完全に公開環境で無条件に悪用できるものではない。
誰が動くべきか
- n8n-mcpを運用するLLM Gateway運用チーム
- AgenticフレームワークやAPIクライアント機能を本番で使っているSRE/SecOps
- RAGパイプライン構築者で、n8nのWebhookやAPIを活用している開発者
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| n8n-mcp(npmパッケージ) | 2.18.7 以上、2.50.2 未満 | 2.50.2 |
バージョン確認コマンド
Linux/macOS (npm)
npm list n8n-mcp
出力例:
└─ n8n-mcp@2.48.0
判定: バージョンが 2.18.7 以上 かつ 2.50.2 未満 なら脆弱です
Python環境(もしn8n-mcpをPythonで管理している場合)
pip show n8n-mcp
出力例:
Name: n8n-mcp
Version: 2.49.0
Summary: ...
判定: バージョンが 2.18.7 以上 かつ 2.50.2 未満 なら脆弱です
設定確認
この脆弱性はマルチテナントHTTPモードでかつWebhookトリガーやAPIクライアントの利用時に発現します。明示的な設定オプションで無効化する方法は公表されていません。設定依存ではないため、対象バージョンであれば脆弱と判断してください。
Nucleiテンプレートでの検出
現時点でCVE-2026-44694専用の公開Nucleiテンプレートは提供されていません。ベンダーからの公式検出ツールやバージョン確認で対応してください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
npm 環境(Linux/macOS)
npm install n8n-mcp@2.50.2
判定: バージョンが 2.50.2 に更新されれば安全です
Docker環境の場合
docker pull czlonkowski/n8n-mcp:2.50.2
docker stop <コンテナ名>
docker rm <コンテナ名>
docker run -d --name <コンテナ名> czlonkowski/n8n-mcp:2.50.2 [その他オプション]
判定: コンテナイメージが 2.50.2 に更新されていれば安全です
注意: パッチ適用前に必ずバックアップを取得してください。ステージング環境で動作検証を行い、本番への影響を最小限に抑えましょう。運用時間帯やダウンタイム計画も事前に調整してください。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
現時点で公式の暫定対応策は提示されていません。WAFやIPSで不審なx-n8n-urlヘッダーのリクエストをブロックするなど、ネットワークレベルでの通信制限を検討してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で実行したバージョン確認コマンドを再度実行してください。
期待される出力
Linux/macOS (npm)
npm list n8n-mcp
出力例:
└─ n8n-mcp@2.50.2
判定: バージョンが 2.50.2 以上ならOKです
Python環境
pip show n8n-mcp
出力例:
Version: 2.50.2
判定: バージョンが 2.50.2 以上ならOKです
追加で確認すべきこと
もしNucleiテンプレートや他の脆弱性検出ツールが提供された場合は最新版を使い再スキャンしてください。不審なログやAPI呼び出しの異常を運用監視システムでチェックしましょう。
補足: 悪用観測状況
CVE-2026-44694については、現時点でランサムウェアグループによる悪用情報は確認されていません。GitHubやExploit DatabaseにもPoCは公開されていません。EPSSスコアは0.03%と非常に低く、直近の実際の悪用例は報告されていません。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV(攻撃元の場所): 公開されていません
- AC(攻撃難易度): 公開されていません
- PR(必要な権限): 認証済みユーザー
- UI(ユーザー操作): 不要(サーバ側処理)
- S(スコープ): マルチテナント環境影響
- C(機密性影響): 高(認証情報漏洩の可能性)
- I(完全性影響): 中(データ改ざんの可能性)
- A(可用性影響): 低(サービス停止は報告なし)
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で環境のバージョンを確認し、該当する場合はSTEP 4で2.50.2へのアップデートを実施してください。最低限バージョンチェックとパッチ適用は必須です。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. 公式の暫定対応はありませんが、WAFやIDS/IPSで不審なHTTPヘッダーを遮断するなど、ネットワーク隔離や通信制限の強化を検討してください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. ベンダーが提供するIOC(侵害指標)がないためログ監視が中心です。サーバーから外部へ不審な内部APIアクセスやクラウドメタデータアクセスがないか調査してください。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは脆弱性の技術的リスクを示しますが、EPSSは「実際に悪用される確率」を示します。両方確認することで優先度をより正確に判断できます。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. 同じCWE-918(SSRF)やCWE-367(競合状態)に分類される類似の脆弱性は他製品にも存在します。特にマルチテナント環境では同様の問題に注意してください。
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