CVE-2026-45387 Open WebUIの情報漏洩脆弱性に注意 モデルのシステムプロンプト保護策とAIセキュリティ対策ガイド

結論
- 危険度: Medium (CVSS 4.3)
- 対象: open-webui <= 0.9.4
- 修正: 0.9.5
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 5分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分〜環境により変動 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 10分〜 |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 5分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-45387はOpen WebUIの脆弱性です。バージョン0.9.4以前で、モデルの読み取り権限を設定した際に、意図しないユーザーが機密のシステムプロンプトを閲覧できます。AIセキュリティ上、LLMゲートウェイやバイブコーダー開発者にとって対応が必要な問題です。
やさしく説明すると
Open WebUIは完全オフラインで動作するAIプラットフォームです。この脆弱性は、モデルを他のユーザが使えるように設定したとき、鍵を渡したはずの部屋の中身だけでなく、本来隠しておきたい設計図(システムプロンプト)まで見られてしまう状態です。つまり、誰かに見せたい部分だけ渡したつもりが、秘密の情報も漏れてしまう問題です。AI駆動開発でも大切な情報が知られたら困りますね。
技術的な原因
この脆弱性はCWE-200(情報漏洩)に該当します。具体的には、モデルの読み取り権限を設定してもアクセス制御が不十分で、API経由で機密のシステムプロンプトが漏洩します。システムプロンプトとは、LLM(大規模言語モデル)への指示文で、モデルの動作や回答方針を決める重要な情報です。この情報が漏れると、プロンプトインジェクションなど他の攻撃に悪用される恐れがあります。
影響を受けると何が困るか
- モデルのシステムプロンプト漏洩による機密情報の流出
- プロンプトインジェクション攻撃の足掛かりになる
- Agenticフレームワークの不正操作につながる可能性
- バイブコーダー利用時の認証済み情報の隠蔽が破られるリスク
- LLM Proxy や MCP Server運用での設定情報の露呈
- AI Security観点での信頼性低下およびユーザ信頼損失
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディスト利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 中
判断根拠
- CVSSスコアは4.3でMedium、攻撃が比較的簡単だが深刻度は中程度
- EPSSスコアは未提供のため悪用予測は不明
- 現在、ランサムウェアグループによる悪用観測はなし
- 公開PoCコードは存在しない
- 攻撃はネットワーク経由で可能で、低権限ユーザが必要(PR:L)、ユーザ操作は不要(UI:N)、通常の設定でも脆弱性が存在する
誰が動くべきか
- Open WebUIを本番利用しているLLM Gateway運用チーム
- Agentフレームワーク開発者やAI Proxy/LLM Proxyを構築・運用しているSRE/SecOps
- バイブコーダー開発者やCursor/Cline/Aider/GitHub Copilot/Claude Code等を使った開発者
- 自己ホスト型AIプラットフォーム管理者
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| open-webui | 0.9.4以下 | 0.9.5 |
バージョン確認コマンド
Python環境(pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.9.4
Summary: Self-hosted AI platform
...
判定: Versionが 0.9.4以下なら脆弱。0.9.5以上なら安全。
Python環境(pip list)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.9.4
判定: 0.9.4以下なら脆弱。0.9.5以上なら安全。
設定確認
この脆弱性は特定の権限設定にて起きますが、バージョンが0.9.4以下なら該当設定の有無にかかわらず脆弱とみなしてください。設定変更による暫定対応は提供されていません。
Nucleiテンプレートでの検出
本脆弱性用の公開Nucleiテンプレートは現時点では提供されていません。バージョン確認で対応をお願いします。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python環境(pip)でのアップグレード手順
pip install --upgrade open-webui
判定: バージョンが 0.9.5 以上にアップグレードできればOK
注意: アップグレード前に環境のバックアップを必ず取得してください。ステージング環境で動作検証後、本番に適用してください。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
現時点で公式からの暫定対応は提示されていません。ネットワーク分離や該当機能の利用停止が可能なら検討してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で利用したバージョン確認コマンドを再度実行してください。
期待される出力
Python環境(pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.9.5
Summary: Self-hosted AI platform
...
判定: バージョンが 0.9.5 以上ならOK
Python環境(pip list)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.9.5
判定: バージョンが 0.9.5 以上ならOK
追加で確認すべきこと
特定のNucleiテンプレートはありませんが、ログ監視やアクセス制御の異常がないかチェックしてください。特にmodelのsystem prompt APIアクセスログを注視してください。
補足: 悪用観測状況
現時点でCISA KEVに登録はなく、ランサムウェアグループによる悪用の報告はありません。GitHubやExploit DatabaseにもPoCコードは存在しません。実務的には即時対応を要する重大な悪用情報は確認されていませんが、中長期的に監視が必要です。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV(攻撃元):NETWORK(ネットワークから攻撃可能)
- AC(攻撃複雑度):LOW(攻撃は容易)
- PR(必要権限):LOW(低権限ユーザで実施可能)
- UI(ユーザ操作):NONE(ユーザ操作不要)
- S(スコープ):UNCHANGED(影響範囲は変更なし)
- C(機密性影響):LOW(情報が一部漏洩する)
- I(完全性影響):NONE(改ざんはなし)
- A(可用性影響):NONE(サービス停止はなし)
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で対象バージョンを確認し、0.9.5未満ならばSTEP 4で速やかにアップグレードを実施してください。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. 公式の暫定対応はありませんが、該当機能の停止やネットワークアクセス制御を強化してください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. APIアクセスログを監視し、modelシステムプロンプトの不審なアクセスをチェックしてください。攻撃用PoCは現時点で未公開です。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. EPSSは実際に悪用される確率を示します。CVSSとあわせて優先度判断すると効率的な対策が可能です。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-200(情報漏洩)に分類される類似の脆弱性は多数存在します。AI Security観点からはシステムプロンプト漏洩問題を常に注意してください。
参考文献
- NVD – CVE-2026-45387
- GitHub Advisory Database – Open WebUI 脆弱性
- GitHub Security Advisory GHSA-h2cw-7qw9-56xr
- OpenCVE – CVE-2026-45387
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