【高】CVE-2026-45402 Open WebUIの認証バイパスによるファイル不正アクセス問題と対策ガイドAI Security運用者必読

結論
- 危険度: High (CVSS 8.1)
- 対象: open-webui <= 0.9.4
- 修正: 0.9.5
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 3分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分~環境による |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分~ |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-45402は、Open WebUI(オープンウェブユーアイ)というオフライン対応の自己ホスト型AIプラットフォームで、認証済みのユーザーが他ユーザーのプライベートファイルを閲覧・上書きできてしまう脆弱性です。これはLLMゲートウェイやRAG(リトリーバル強化生成)を運用するエンジニアにとって、至急対応すべき重要な問題です。
やさしく説明すると
この脆弱性は、まるで自宅の鍵を持っている人が、本人に確認せず合鍵を使って他人の部屋に入れるようなものです。Open WebUIでは、ユーザーがファイルIDを指定すると、そのファイルが本当に自分のものかどうかをチェックせずに、関連するフォルダやナレッジベースにファイルを紐付けてしまいます。つまり、認証が通っていて実際には権限がないユーザーが、他人の秘密のファイルを簡単に見たり書き換えたりできます。
技術的な原因
この問題はCWE-639(Authorization Bypass Through User-Controlled Key、ユーザー制御キーによる認可回避)に該当します。具体的には、APIの複数のエンドポイントで外部から渡されるfile_idパラメータを、そのファイルが呼び出し元ユーザーに属しているか確認せずに処理していました。これにより、本来アクセスしてはいけないファイルを操作できてしまいます。
影響を受けると何が困るか
- APIキーや認証情報が含まれたファイルが漏洩する可能性
- 他ユーザーのLLMコンテキスト情報が不正に参照や上書きされるリスク
- エージェントやRAGパイプラインを介したプロンプト改ざんによるAI挙動の乗っ取り
- 請求コストの予期せぬ爆増による運用負荷増大
- バイブコーダーやAI開発ツール利用環境での機密ファイルの漏洩や改変リスク
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディスト利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 高
判断根拠
- CVSS v3.1スコアは8.1(High)で、高リスク領域に該当。攻撃はネットワーク経由で容易に発生し得る。
- EPSS(実際に悪用される確率)スコアは提供されていません。
- ランサムウェアによる悪用は
Unknownで現時点では報告なし。 - 公開PoC(Proof of Concept)は未発見。すなわち、既知の攻撃コードはまだありません。
- 脆弱性は
低い権限で認証済みユーザーが悪用可能で、ユーザー操作は不要です。
誰が動くべきか
- Open WebUIを導入・運用しているエンジニア及びSREチーム
- LLM GatewayやRAGパイプラインを管理しているインフラチーム
- Agentフレームワークを本番環境で利用しているSecOpsチーム
- Cursor、Cline、GitHub Copilot、Claude Code等を使うAI駆動開発者、バイブコーダー
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| open-webui (Pythonパッケージ) | 0.9.4 以下 | 0.9.5 以上 |
バージョン確認コマンド
Python (pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.9.4
Summary: Self-hosted AI platform
判定: Version: 0.9.4以下なら脆弱、0.9.5以上なら安全
Python (pip list)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.9.4
判定: 0.9.4以下は要更新
設定確認
この脆弱性は設定依存ではなく、バージョンが対象範囲なら脆弱です。設定による緩和はありません。
Nucleiテンプレートでの検出
本脆弱性に対応した公開Nucleiテンプレートは提供されていません。非破壊的な確認はバージョン確認コマンドで行ってください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python (pip)
pip install --upgrade open-webui
判定: バージョンが 0.9.5 以上に更新されていれば修正済み
注意: パッチ適用前に必ずバックアップを取得してください。更新はステージング環境で検証後、本番環境での適用を推奨します。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
ベンダー公式では暫定対応は提示されていません。暫定的にネットワークのアクセス制限や認証強化でリスクを下げる対策が考えられますが、根本的には速やかに0.9.5以上へアップデートしてください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3 で実行したバージョン確認コマンドをもう一度実行して、アップデートが反映されているか確かめてください。
期待される出力
Python (pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.9.5
Summary: Self-hosted AI platform
判定: バージョンが 0.9.5 以上ならOK
追加で確認すべきこと
- 脆弱性に対応したNucleiテンプレートの有無を継続的に確認し、適用後に再スキャンを検討する
- ログ監視で不審な不正アクセスやファイル操作が記録されていないかを確認する
補足: 悪用観測状況
現時点でCISA KEVには未登録であり、ランサムウェアなどによる悪用報告はありません。公開されたPoCコードもありません。つまり、実運用における攻撃観測はまだ確認されていませんが、安全性を優先し早急にアップデートすべきです。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV(攻撃元): NETWORK(ネットワーク経由で攻撃可能。リモートから攻撃できる)
- AC(攻撃複雑度): LOW(特別な条件を必要とせず攻撃可能)
- PR(必要権限): LOW(低い権限の認証済みユーザーで攻撃可能)
- UI(ユーザー操作): NONE(攻撃にユーザー操作不要)
- S(スコープ): UNCHANGED(被害範囲が限定されている)
- C(機密性影響): HIGH(重要な情報が漏洩する)
- I(完全性影響): HIGH(データ改竄が可能になる)
- A(可用性影響): NONE(サービス停止などには至らない)
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で自環境のopen-webuiのバージョンを確認し、対象ならSTEP 4で0.9.5以上にアップデートしてください。最後にSTEP 5でバージョン反映を検証します。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. 現時点で公式の暫定対応はありません。可能ならネットワークアクセス制限を強化し、認証・権限管理を厳格にして対策してください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. ベンダーからのIoCは未提供ですが、アクセスログに不正なファイルアクセスや権限のないファイル変更がないか監視してください。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは脆弱性の理論上の危険度ですが、EPSSは実際に悪用される確率を示します。両方を確認することで優先対応度の判断がより正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-639のように、ユーザー制御キーによる認可回避に該当する脆弱性は他のLLM関連ミドルウェアやAI Gatewayにも存在する可能性があります。依存製品の権限チェックは重要です。
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