【高】CVE-2026-45303 Open WebUIにおけるクロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性発見 AI Security視点のバイブコーダー向け緊急対応

結論
- 危険度: High (CVSS 7.7)
- 対象: open-webui < 0.6.5
- 修正: 0.6.5
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 3分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分(環境による) |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-45303はオフラインで動作するAIプラットフォーム、open-webuiにある脆弱性です。ユーザチャット履歴のHTML表示機能を通じて攻撃者がスクリプト実行でき、管理者や運用者にとって重大なリスクを引き起こします。攻撃者は限定的な条件でも親ページのデータにアクセスできます。
やさしく説明すると
この脆弱性は、open-webuiのチャット履歴表示部分の仕組みにあります。攻撃者は玄関の鍵が甘い家のように、表示されるチャット画面から悪意のあるスクリプトを忍ばせられます。その結果、部屋の中に無断で入り込み、大事な書類(データ等)を盗み出される恐れがあります。見た目は安全そうな仕組みですが、中身は自由に動くスクリプトが許されてしまっている状態です。
技術的な原因
この問題はCWE-79、クロスサイトスクリプティング(XSS)に該当します。open-webuiはチャット履歴のHTMLをiframeで表示します。このiframeにsandbox属性が付いていますが、allow-scripts、allow-forms、allow-same-originも含んでいます。これにより通常制限されるべきスクリプト実行や親のローカルストレージへのアクセスが許可されます。つまりsandboxの保護が機能しなくなり、ほぼ無制限に攻撃者コードが動かせる状態になっています。
影響を受けると何が困るか
- 攻撃者がユーザの認証情報やAPIキー(OpenAIやAnthropicなど)を盗める
- チャット履歴を含むLLMコンテキスト情報が漏洩し、顧客データが危険に晒される
- エージェントフレームワークを介したプロンプトインジェクション攻撃が拡大する
- モデルの改ざんやRAG(検索強化生成)データの不正操作が可能になる
- 高額なAPI請求コストの爆増を招くリスクがある
- 複数テナント間で情報が漏れ、マルチテナント運用が破綻する
- AI開発ツール(Cursor、Cline、Copilotなど)経由のローカルファイル読み取りや任意コード実行につながる可能性がある
- .envや認証情報など秘密情報の漏洩リスクが高まる
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 高
判断根拠
- CVSS v3.1スコアは7.7 (High)。これは実務的に「計画的に対応すべき重要課題」に相当します。
- EPSS(悪用予測スコア)は提供されていません。
- ランサムウェア悪用の報告や観測はありません(未知)。
- 公開されたPoC(Proof of Concept)はGitHub上に存在しません。
- 攻撃はネットワーク経由で到達可能だが、複雑度が高く、低権限のユーザでユーザ操作も必要です。
- 現状は自動的に被害に遭う状況ではありませんが、スクリプト実行と親ドメインデータアクセスは深刻な影響をもたらします。
誰が動くべきか
- open-webuiを使用しているAI/LLMアプリケーションの開発・運用チーム
- AI GatewayやAgentフレームワークにopen-webuiを組み込んでいるSRE/SecOpsチーム
- Cursor、Cline、GitHub CopilotなどのAI駆動開発ツール利用者で、open-webuiを開発環境に組み込んでいるバイブコーダー開発者
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| open-webui | < 0.6.5 | 0.6.5 |
バージョン確認コマンド
Python (pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.5.4
Summary: Open WebUI - self-hosted AI platform
判定: バージョンが 0.6.5 未満なら脆弱です
Python (pip list)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.5.4
判定: 0.6.5 未満は脆弱
設定確認
この脆弱性は設定依存ではありません。バージョンが対象範囲内であれば脆弱です。
Nucleiテンプレートでの検出
本CVEに関する公開Nucleiテンプレートは提供されていません。検出はバージョン確認で実施してください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python (pip) でのアップグレード
pip install --upgrade open-webui
出力例:
Successfully installed open-webui-0.6.5
判定: バージョンが 0.6.5 以上になれば修正適用済み
注意: パッチ適用前に必ず現在のバージョンのバックアップを取得してください。ステージング環境で動作確認後、本番環境へ展開してください。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
公式の暫定対応は提示されていません。可能であれば、外部からのアクセスをネットワークレベルで制限し、チャット履歴のHTML表示機能の利用を一時停止してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で実行したバージョン確認コマンドを再度実行してください。
期待される出力
Python (pip) バージョン再確認
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.6.5
Summary: Open WebUI - self-hosted AI platform
判定: バージョンが 0.6.5 以上ならOKです
追加で確認すべきこと
可能であれば、関連するログを確認し、不審なスクリプト実行や不正アクセスの兆候がないことを確認してください。
補足: 悪用観測状況
本CVEに関する悪用の観測報告は現時点でありません。GitHub上に公開PoCも存在しません。ランサムウェア等による悪用例も報告されていません。ただし脆弱性の性質上、早期に対応することが推奨されます。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV(攻撃元): NETWORK(ネットワーク経由) – 攻撃は遠隔から可能
- AC(攻撃複雑度): HIGH(高) – 攻撃に高度な条件や手順を要する
- PR(必要権限): LOW(低) – 低い権限のユーザで発動可能
- UI(ユーザ操作): REQUIRED(必要) – 攻撃にはユーザの操作が必要
- S(スコープ): CHANGED(変化あり) – 攻撃が影響範囲を拡大する
- C(機密性影響): HIGH(高) – 機密情報の漏洩リスクが大きい
- I(完全性影響): HIGH(高) – データの改ざんが可能
- A(可用性影響): NONE(なし) – 利用妨害は起きない
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で対象バージョンか確認し、STEP 4で0.6.5以上へアップデートしてください。その後STEP 5でバージョンが正しく上がっていることを確認します。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. 公式の暫定対応はありませんが、ネットワークでアクセス制限をかけるか、脆弱なHTMLレンダリング機能を停止することを検討してください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. 不正なスクリプト実行やiframe経由のデータアクセスの痕跡をログでチェックしてください。公開されたPoCはないため、怪しいアクセスログを重点的に監視しましょう。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは脆弱性の理論的な深刻度を示します。EPSSは実際にどれだけ悪用されるかの確率を示すため、両者を併用することで優先度判断がより正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-79に属するクロスサイトスクリプティング脆弱性は似たケースが多数あります。HTMLレンダリングやWeb UIでのスクリプト制御は特に注意が必要です。
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