CVE-2026-45667 Open WebUI認証バイパスで無認証から埋め込み生成を許す脆弱性解説とAI Security対策手順

結論
- 危険度: Medium (CVSS 6.5)
- 対象: open-webui <= 0.7.2
- 修正: 0.8.0
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 5分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 3分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-45667は、Open WebUIという自己ホスト型AIプラットフォームの脆弱性です。認証なしでAPIが呼び出せて、料金発生のある埋め込み生成を攻撃者が自在に行えます。LLMゲートウェイ運用者は素早く対応してください。
やさしく説明すると
例えると、家の玄関に鍵がかかっていない状態です。誰でも勝手に入れて、電気や水道を使い放題にできるイメージです。この脆弱性は認証をしなくても特定のAPIが使えます。そこから有料APIを連続利用されるので、予期せぬ高額請求が発生するリスクがあります。攻撃者が特別な技術がなくても悪用できます。
技術的な原因
原因はCWE-862「認証の欠如」です。具体的には、Open WebUIのバージョン0.7.2以前で、GET /api/v1/memories/efエンドポイントが認証無しにアクセス可能でした。このエンドポイントはrequest.app.state.EMBEDDING_FUNCTIONを直接呼び出し、有料の埋め込み生成処理を実行します。認証チェック漏れが根本原因です。
影響を受けると何が困るか
- 不正アクセス者が認証不要で埋め込み生成APIを連続呼び出しできるため、APIキーの不正利用や予期せぬ請求コストが発生する。
- LLMコンテキストや顧客データの窃取は起きないが、AI Gatewayの運用コストが爆発的に増加するリスクがある。
- プロンプトインジェクションやエージェント乗っ取りにつながる可能性は無いが、サービスの正常なリソース使用が阻害される可能性がある。
- CursorやCline、CopilotなどのAIコーディングツール利用者への直接的影響は報告されていない。
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 中
判断根拠
- CVSS v3.1スコアは6.5(Medium)です。実務的には重大リスクではないが、放置は請求リスクがあるため注意が必要です。
- EPSSスコアは未提供で、直近30日での悪用予測は不明です。
- ランサムウェアなど重大な悪用観測は現時点でありません。
- 公開PoCもありませんが、認証なしでAPIが使えるため簡単に悪用可能です。
- ネットワーク経由で攻撃可能、権限不要、UI操作不要なため攻撃は自動化しやすい状況です。
誰が動くべきか
- Open WebUIを0.7.2以下で自己ホスト運用するLLM Gateway運用チーム
- Agentフレームワーク開発者(Open WebUIをAgentとして使っている場合)
- RAGパイプライン・MLインフラチーム(有料埋め込みAPIを利用している場合)
- バイブコーダー開発者(Cursor、ClineなどAI駆動開発者は影響は少ないが周辺影響を監視する必要あり)
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| open-webui (Pythonパッケージ) | 0.7.2以下 | 0.8.0以上 |
バージョン確認コマンド
Python (pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.7.2
Summary: Self-hosted offline AI platform
...
判定: Version: 0.7.2 以下なら脆弱。0.8.0以上なら安全。
Python (pip list + grep)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.7.2
判定: 0.7.2 以下なら脆弱。
設定確認
認証が要求されないエンドポイントのアクセス制限不足が根本問題です。設定依存ではありません。バージョンが0.7.2以下なら脆弱です。
Nucleiテンプレートでの検出
本脆弱性に関する公開Nucleiテンプレートは提供されていません。バージョン確認のみで検出してください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python (pip upgrade)
pip install --upgrade open-webui
出力例:
Successfully installed open-webui-0.8.0
判定: バージョンが 0.8.0 以上になれば脆弱性は修正済み。
注意: 更新前に必ずバックアップを取得してください。ステージング環境で動作検証を実施し、本番環境の事前計画(ダウンタイムや影響範囲の共有)を行いましょう。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
現時点で公式の暫定対応策は提示されていません。自己ホスト環境ではAPIアクセス制限やWAFの導入を検討し、外部から認証無しで該当エンドポイントにアクセスできないようにネットワーク的に隔離してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で紹介したバージョン確認コマンドを再度実行してください。
期待される出力
Python (pip show)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.8.0
Summary: Self-hosted offline AI platform
...
判定: バージョンが 0.8.0 以上ならOK
Python (pip list + grep)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.8.0
判定: バージョンが 0.8.0 以上ならOK
追加で確認すべきこと
ログに不審なGET /api/v1/memories/ef エンドポイントへのアクセスがないか監視してください。Nucleiテンプレートは存在しないため手動ログ監視が必要です。
補足: 悪用観測状況
本CVEに関連するランサムウェアによる悪用や実際に攻撃が観測された報告はありません。公開PoCも存在しないため、現状では悪用リスクは限定的です。ただし認証無しのAPIを使われると直接金銭的損失に繋がるため注意が必要です。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV (Attack Vector, 攻撃元): NETWORK (ネットワーク経由で攻撃可能)
- AC (Attack Complexity, 攻撃困難度): LOW (攻撃は容易)
- PR (Privileges Required, 必要な権限): NONE (権限不要)
- UI (User Interaction, ユーザ操作): NONE (ユーザ操作不要)
- S (Scope, 範囲変更): UNCHANGED (スコープは変わらない)
- C (Confidentiality, 機密性影響): NONE (情報漏洩なし)
- I (Integrity, 完全性影響): LOW (情報改ざんの可能性僅少)
- A (Availability, 可用性影響): LOW (サービスの可用性低下の可能性)
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で自分の環境のopen-webuiのバージョンを確認し、もし0.7.2以下ならSTEP 4のアップグレード作業を実施してください。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. ネットワークレベルで該当APIエンドポイントへのアクセスを制限し、WAF等で認証なきリクエストをブロックしてください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. Open WebUIのアクセスログでGET /api/v1/memories/ef への認証なしアクセスが繰り返されていないか調べてください。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは脆弱性の理論的な深刻度ですが、EPSSは「現実にどれくらい悪用されやすいか」を示します。双方を確認すると対応優先度の判断がより正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-862「認証の欠如」に該当する脆弱性は他にも多く存在し、認証漏れは特にAI GatewayやLLM Proxy等ネットワークAPIで注意が必要です。
参考文献
- NVD – CVE-2026-45667
- GitHub Advisory Database – GHSA-m69w-p7m4-585j
- Snyk Vulnerability DB
- OpenCVE – CVE-2026-45667
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