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【高】CVE-2026-10564 IBM Langflow OSSのSSRF脆弱性でクラウド認証情報流出の恐れ AI Security対策ガイド

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: High (CVSS 8.2)
  • 対象: (詳細はベンダーアドバイザリ参照)
  • 修正: ベンダーアドバイザリ参照
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-06-30 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 5分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 3分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分
STEP 4 修正を適用する 環境による
STEP 5 修正されたことを確認する 3分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-10564はIBM Langflow OSS 1.0.0から1.9.6にあるSSRF(サーバサイドリクエストフォージェリ)脆弱性です。攻撃者は認証済みでも内部ネットワークやクラウドのメタデータサービス(AWSやAzure、GCPのIMDS)にアクセスし、IAM認証情報の窃取や内部情報の列挙が可能です。LLMゲートウェイやAgenticフレームワーク構築者にとって最優先で対応すべき重要な脆弱性です。

やさしく説明すると

この脆弱性は、例えると「建物の玄関で警備員が目を離している間に、悪い人が通り抜けて内部の大事な倉庫に勝手にアクセスできる」ようなものです。IBM Langflowの一部コンポーネントが外部からのリクエストを正しくチェックせず、そのまま内部の大切な情報源にアクセスしてしまいます。しかも、この問題は普段は認証が必要でも、攻撃者が認証済みの状態であれば利用可能です。LLMのワークフローで例のない命令を混ぜて、この穴を通じて攻撃することも可能です。

技術的な原因

この脆弱性は「CWE-918: 強制的なサーバーサイドリクエストForgery(SSRF)」に該当します。SSRFとは、サーバー自身が攻撃者に操作されたURLへHTTPリクエストを送信してしまう脆弱性です。通常は外部へのリクエストを制限し、内部リソースへのアクセスを防ぎますが、この脆弱性ではRSSReaderComponent(rss.py)とSearXNGコンポーネント(searxng.py)がユーザー制御のURLに対し検証なしにリクエストを送信してしまいます。バージョン1.9.3から導入されたSSRFガードが1.9.6までのバージョンで一部迂回されていることが原因です。

影響を受けると何が困るか

  • クラウドIMDS(AWS/Azure/GCPのメタデータサービス)にアクセスし、IAM認証情報を窃取される
  • 内部ネットワークの情報を列挙されて横展開攻撃を受ける
  • LLM ProxyやAgenticワークフローでのプロンプトインジェクションを経由して遠隔操作される
  • APIキー(OpenAI/Anthropic等)が漏洩し、請求コストが急増するリスク
  • AIコーディングツール(CursorやCline、GitHub Copilotなど)経由での情報漏洩や環境情報の改ざん
  • マルチテナント環境におけるテナント間情報漏洩の危険

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 高

判断根拠

  • CVSS v3.1 スコアは 8.2(High)であり実務的には重大なリスク。攻撃はネットワーク経由で認証不要、利用者操作も不要
  • EPSSスコアは未提供(予測値なし)
  • ランサムウェア悪用の公表はなく、現在悪用観測も報告されていない
  • 公開PoC及びExploitは現時点で存在しない
  • 認証不要でリモートから悪用可能な点が特に危険。AI Agenticフレームワークなどで「tool_mode=True」の状態でワークフローを引き起こされる場合もある

誰が動くべきか

  • LLM Gateway運用チーム(Langflow OSSを使う場合)
  • Agentフレームワーク開発者(LangChainやAutoGen等の上流でLangflowを使う場合も想定)
  • MLインフラチームおよびRAGパイプライン保守者
  • バイブコーダー開発者(Cursor、Cline、Copilot、Aider、Claude Code等でLangflow OSSを連携利用するケース)
  • AI駆動開発の運用担当者およびSecOps/SREチーム

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
IBM Langflow OSS 1.0.0 ~ 1.9.6 ベンダーアドバイザリ参照

バージョン確認コマンド

Python (pip)

pip show langflow

出力例:

Name: langflow
Version: 1.9.5
Summary: A library for managing LangChain workflows

判定: Version1.0.01.9.6の場合は脆弱

Python (poetry)

poetry show langflow

出力例:

name         : langflow
version      : 1.9.6
description  : Langflow core package

判定: version1.0.01.9.6場合は脆弱

設定確認

本脆弱性は特定設定の有無ではなく、コード内のコンポーネントが未修正の状態で存在すること自体が脆弱です。したがって、バージョンが対象なら脆弱と判断してください。Agenticワークフローでの tool_mode=True 設定は悪用トリガーとなりうるため、確認を推奨します。

Nucleiテンプレートでの検出

現在、公開Nucleiテンプレートは見つかっていません。検出はバージョン確認に依存してください。

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python (pip) 環境でのアップグレード例

pip install --upgrade langflow

判定: 修正版バージョン以降であれば安全

注意: パッチ適用前に必ず環境のバックアップを取得してください。Langflowのワークフロー依存関係の互換性確認やステージング環境での動作検証も併せて行い、ダウンタイム計画を事前に策定してください。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

2026年6月時点で、ベンダーによる暫定対応策の公表はありません。暫定的にはネットワークアクセス制御でLangflowのコンポーネントが外部または内部のメタデータサービスへ不要に接続できないように制限してください。また、Agenticワークフローでの tool_mode=True の利用を一時的に停止してください。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3 で使用したバージョン確認コマンドを修正後に再度実行してください。修正バージョン以降であれば問題ありません。

期待される出力

Python (pip)

pip show langflow

出力例:

Name: langflow
Version: 1.9.7
Summary: A library for managing LangChain workflows

判定: バージョンが 1.9.7 以上ならOK

Python (poetry)

poetry show langflow

出力例:

name         : langflow
version      : 1.9.7
description  : Langflow core package

判定: バージョンが 1.9.7 以上ならOK

追加で確認すべきこと

  • 公開Nucleiテンプレートが登場した場合は再実行し、未検出を確認する
  • システムログやアクセスログで内部メタデータサービスへの不審なアクセス履歴がないか監視する

補足: 悪用観測状況

現時点でこの脆弱性に関する公開されたPoC(Proof of Concept)は存在しません。Exploit Databaseなどにも同脆弱性を利用した攻撃コードは登録されていません。またランサムウェアグループによる悪用報告もありません。したがって即座に悪用が横行している状況ではないと判断できます。

とはいえ、認証不要で内部クラウド情報にアクセス可能な高リスク脆弱性のため、注意深く監視と速やかな対応が必要です。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV(攻撃元): NETWORK(リモートから攻撃可能)
  • AC(攻撃複雑度): LOW(攻撃手順は簡単)
  • PR(必要権限): NONE(認証不要)
  • UI(ユーザ操作): NONE(ユーザ操作は不要)
  • S(スコープ): UNCHANGED(スコープの拡大なし)
  • C(機密性影響): HIGH(機密情報が漏洩する)
  • I(完全性影響): LOW(一部情報改ざんの可能性あり)
  • A(可用性影響): NONE(サービス停止は起きない)

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. まずはSTEP 3で環境のバージョンを確認し、STEP 4で可能な限り速やかに脆弱性を修正したバージョンにアップデートしてください。その後STEP 5で修正済みを確認します。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. 公式の暫定対応は未発表ですが、ネットワークレベルで外部やクラウドのメタデータサービスへのアクセスを制限することや、Agenticのツールモードを無効化することを検討してください。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. サーバーのログを確認し、内部のIMDS(クラウドメタデータサービス)への不審なアクセスがないかを調査します。特に認証不要なHTTPリクエストによる異常活動を重点監視してください。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは脆弱性の理論的な深刻度を示しますが、EPSSは実際に悪用される可能性を数値化します。両者を合わせて判断することで、現場での対応優先度がより正確になります。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. CWE-918に該当するSSRF脆弱性は過去に多数あります。内部リソースへの無検証リクエストで情報漏洩を引き起こす点が共通特徴です。

参考文献

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