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【高】CVE-2026-44565 Open WebUIのパストラバーサル脆弱性でLLM運用者が知るべきAIセキュリティ対策

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: High (CVSS 8.1)
  • 対象: open-webui <= 0.6.9
  • 修正: 0.6.10
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 3分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 2分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分
STEP 4 修正を適用する 10分〜
STEP 5 修正されたことを確認する 3分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-44565はopen-webui(オープンウェブユーアイ)におけるパストラバーサル(パスの不正遡及)脆弱性で、攻撃者は許可なく任意の場所にファイルをアップロードできます。これはLLMゲートウェイやAIプラットフォームを自社で運用するエンジニアにとって最優先で対策すべき重大な問題です。

やさしく説明すると

あなたの会社のAIを動かすプラットフォームで、ファイルの置き場所を決めるルールに穴がありました。悪意ある人が「この場所に保存してね」と言いながら、実は裏道を通って機密フォルダに忍び込む合鍵を作るのと似ています。結果、AIのサーバー上で大事なファイルを勝手に置かれたり、消されたりする可能性があります。

技術的な原因

この脆弱性はCWE-22「不適切なパス名制限」に該当します。つまりアップロードされたファイル名に含まれる 「../」などのドットセグメントを検査せずに保存先パスを決定しています。通常はこのような文字列を除去や正規化して、想定外のディレクトリにファイルが書き込まれないようにする必要がありますが、対象バージョンではこの処理が不十分でした。

ファイルアップロード処理はネットワーク経由で行われ、サーバー側で実行権限が低くとも攻撃者はファイル書き込みや削除を制御できます。ユーザー操作は不要で、低い権限でも攻撃可能です。

影響を受けると何が困るか

  • 実行中のAIサーバーに任意ファイルが書き込まれ、悪意ファイルを置かれてAI Gateway運用に障害発生
  • LLMのプロンプト改ざんやエージェント乗っ取りの足がかりになる
  • AIコーディング支援(Cursor, Cline, Copilotなど)経由での不正操作リスク増大
  • AIモデルの設定やコンテキストデータ改変を通じた顧客情報漏洩の危険性
  • サーバーの可用性が低下し、サービス停止やパフォーマンス劣化が起きる

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 高

判断根拠

  • CVSS v3.1 スコアは 8.1(High)。ネットワーク経由で実行可能かつ認証不要のため、実務的には迅速に対応が必要な脆弱性です。
  • EPSSスコアは未提供ですが、認証不要かつ攻撃複雑度が低いため悪用可能性は高いと想定されます。
  • 公開PoCは現時点で確認されていません。
  • ランサムウェアなどの悪用観測は不明(Unknown)です。
  • ユーザ操作なし、低い権限のみで攻撃可能であり、デフォルト設定でも影響を受けます。

誰が動くべきか

  • LLM Gateway運用チーム(open-webuiを利用している場合)
  • Agentフレームワーク開発者(パス操作やファイル管理が関連する場合)
  • バイブコーダー開発者(Cursor, Cline, Copilot等から間接的に影響を受ける可能性あり)
  • AI SecurityチームおよびSRE/SecOps担当者

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
open-webui <= 0.6.9 0.6.10

バージョン確認コマンド

Python(pip)

pip show open-webui

出力例:

Name: open-webui
Version: 0.6.9
Summary: Self-hosted AI platform

判定: Version0.6.10未満(例: 0.6.9以下)なら脆弱です。

Python(pip)

pip list | grep open-webui

出力例:

open-webui   0.6.9

判定: 0.6.10以上なら安全、未満は脆弱。

設定確認

今回の脆弱性はパス名の検証不足によるもので、設定項目による制御は指定されていません。したがって、対象バージョンならば設定に関わらず脆弱です。

Nucleiテンプレートでの検出

本脆弱性に対する公開Nucleiテンプレートはありません。バージョンチェックでの対応を推奨します。

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python(pip)

pip install --upgrade open-webui

出力例:

Successfully installed open-webui-0.6.10

判定: バージョンが 0.6.10 以上になれば最新の修正が適用されています。

注意: パッチ適用前に必ずバックアップを取り、ステージング環境で動作確認を行ってから本番環境に適用してください。また、ダウンタイムが発生するケースは事前に周知を行いましょう。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

公式の暫定対応は提示されていません。可能であれば、AI Gatewayのファイルアップロード機能を制限する、または問題が解決するまでネットワークレベルでアクセス制限を行ってください。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3で実行したバージョン確認コマンドを再度実行してください。

期待される出力

Python(pip)

pip show open-webui

出力例:

Name: open-webui
Version: 0.6.10
Summary: Self-hosted AI platform

判定: バージョンが 0.6.10 以上ならOK

追加で確認すべきこと

  • ログ監視を行い、不審なアップロードやファイルアクセスがないか確認してください。
  • Nucleiテンプレートは未提供ですが、今後のUpdateをチェックしてください。

補足: 悪用観測状況

現時点で公開されたPoC(Proof of Concept)コードはなく、GitHub Advisory Databaseにも公開実装はありません。ランサムウェアを含むマルウェアによる悪用観測も確認されていません。

しかし、CVSSスコアが高く、認証不要で攻撃可能なため、今後の悪用拡大の可能性に注意が必要です。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV (Attack Vector) – 攻撃元: NETWORK (ネットワーク越しに攻撃可能)
  • AC (Attack Complexity) – 攻撃の複雑さ: LOW (単純で攻撃者にとって容易)
  • PR (Privileges Required) – 必要な権限: LOW (低権限ユーザーでも可能)
  • UI (User Interaction) – ユーザ操作: NONE (ユーザ操作不要)
  • S (Scope) – 範囲: UNCHANGED (影響範囲は限定的)
  • C (Confidentiality) – 機密性への影響: NONE (情報漏えいはなし)
  • I (Integrity) – 完全性への影響: HIGH (システム改ざんされる)
  • A (Availability) – 可用性への影響: HIGH (サービス停止の可能性)

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. まずSTEP 3で自分の環境のopen-webuiバージョンを確認し、もし0.6.10未満であれば、STEP 4の修正版へアップグレードを実施してください。その後にSTEP 5でバージョンを再確認します。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. 現時点で公式の暫定対応はありませんが、ファイルアップロード機能の制限やネットワークレベルでサーバーへの不要アクセスを遮断することが推奨されます。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. サーバーログを監視し、通常と異なるディレクトリにファイルが作成・削除されていないかを確認してください。現在のところ特定のIOCは公開されていません。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは脆弱性の理論的な深刻度を示しますが、EPSSは実際に悪用される可能性を示します。両方を併用することで対応の優先順位をより正確に判断できます。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. CWE-22「パス名制限の不備」に該当する脆弱性は他でも類似例が多く、特にAIプラットフォームやAgentフレームワークでファイルの保存処理を行う製品は注意が必要です。

参考文献

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