CVE-2026-45397 Open WebUIに認証バイパス脆弱性が存在 RAG運用者向け緊急対応ガイド

結論
- 危険度: Medium (CVSS 5.3)
- 対象: open-webui < 0.9.5
- 修正: 0.9.5
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-05-15 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 3分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 2分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 3分 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-45397は、open-webuiという自己ホスト型AIプラットフォームで発生する脆弱性です。この脆弱性により、攻撃者は認証なしでRAG(Retrieval Augmented Generation)パイプラインの設定情報を盗み出せます。LLM(大規模言語モデル)ゲートウェイ運用者にとって優先的に対応すべき問題です。
やさしく説明すると
この脆弱性は、玄関の鍵が一部だけかかっておらず、誰でも勝手に中を見ることができる状態です。open-webuiの特定のAPIが鍵をかけ忘れていて、誰でも中身の重要な設定を見ることができます。隣の扉はしっかり鍵がかかっているのに、この扉だけが空いている状態です。
技術的な原因
問題の根本原因はCWE-306(認証の欠如)にあります。オフライン環境向けAIプラットフォームのAPIエンドポイント GET /api/v1/retrieval/ が認証チェックを全く行わずに機密情報を返すことです。隣接するエンドポイント (/embedding、/config) では管理者認証が正しく機能していますが、このエンドポイントだけが認証をつけ忘れた意図的なミスにより漏洩が起きています。
影響を受けると何が困るか
- RAGパイプラインの設定が漏れることで、顧客データやプロンプト設計が盗まれるリスク
- AI GatewayやLLM Proxy運用で、重要設定に不正アクセスが発生しやすくなる
- テナント間の情報漏洩やクロステナント攻撃につながる恐れ
- AIコーディングツール(Cursor、Cline、Copilot等)経由の利用時に間接的リスクが拡大
- 請求コストの異常増加や代理実行リスクによる運用停止
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 中
判断根拠
- CVSS v3.1 スコアは 5.3 で中程度。攻撃元はネットワーク(AV:N)、認証不要(PR:N)、ユーザ操作不要(UI:N)だが、機密影響は軽微(C:L)で完全性・可用性への影響なし。
- EPSS(悪用予測スコア)は未提供。
- ランサムウェア等の悪用観測はない(公開PoCもゼロ)。
- 攻撃に認証不要でネットワーク経由アクセス可能な点は注意が必要。
- 隣接APIは適切に保護されているため、限定的な情報漏洩に留まる。
誰が動くべきか
- open-webuiを利用しているAI Gateway運用チーム
- Agentフレームワーク開発者(LangChain、AutoGen等)でopen-webui連携がある場合
- LLM ProxyやMCP Server構築者
- Cursor、Cline、CopilotなどAI駆動開発を行うバイブコーダー開発者
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| open-webui | 0.9.5 未満 | 0.9.5 |
バージョン確認コマンド
Python (pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.9.3
Summary: Self-hosted AI platform
...
判定: Versionが 0.9.5 未満なら脆弱。0.9.5 以上なら安全。
Python (pip + grep)
pip list | grep open-webui
出力例:
open-webui 0.9.2
判定: バージョンが 0.9.5 未満なら脆弱。
設定確認
この脆弱性は特定APIエンドポイントの認証チェック欠如によるため、設定依存ではありません。バージョンが対象範囲内なら脆弱です。
Nucleiテンプレートでの検出
本件に関する公開Nucleiテンプレートは現在提供されていません。バージョン確認を必ず行ってください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python (pip)
pip install --upgrade open-webui
出力例:
Collecting open-webui
Downloading open-webui-0.9.5-py3-none-any.whl
Installing collected packages: open-webui
Successfully installed open-webui-0.9.5
判定: バージョンが0.9.5以上に更新されれば修正適用済み
注意: アップグレード前に必ずバックアップを取得し、テスト環境でパッチ検証を行ってください。本番環境でのダウンタイム計画も忘れずに。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
公式の暫定対応は提示されていません。可能なら該当エンドポイントへのネットワークアクセスを制限し、API経路を負荷分散層やWAFで保護してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3で実行したバージョン確認コマンドを再度実施してください。
期待される出力
Python (pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.9.5
Summary: Self-hosted AI platform
...
判定: バージョンが 0.9.5 以上なら安全
追加で確認すべきこと
- 本脆弱性を検出するNucleiテンプレートが公開された場合は再実行する
- 運用ログを確認し、該当API
/api/v1/retrieval/への不審なアクセスがないか監視を強化する
補足: 悪用観測状況
2026年5月時点で、CISA KEVカタログには登録されていません。GitHub上の公開PoCや悪用は確認されていません。現状は実際の攻撃は観測されていないものの、認証不要で機密情報が閲覧可能という点で注意が必要です。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV (Attack Vector / 攻撃元): NETWORK – ネットワーク経由で攻撃可能
- AC (Attack Complexity / 攻撃複雑度): LOW – 簡単に攻撃できる
- PR (Privileges Required / 必要権限): NONE – 権限不要
- UI (User Interaction / ユーザ操作): NONE – ユーザ操作不要
- S (Scope / スコープ): UNCHANGED – 攻撃範囲は同じスコープ内
- C (Confidentiality / 機密性影響): LOW – 情報漏洩が起きるが影響は限定的
- I (Integrity / 完全性影響): NONE – データ改ざんの影響なし
- A (Availability / 可用性影響): NONE – システム停止の影響なし
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で自身の環境のopen-webuiバージョンを確認し、0.9.5未満ならSTEP 4の手順でアップデートを実施してください。アップデート後にSTEP 5でバージョンを再確認してください。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. 公式の暫定対応はありませんが、APIエンドポイントへのアクセス制限やWAFによるトラフィック制御を行い、不正アクセスを防いでください。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. /api/v1/retrieval/ への未認証アクセスのログを調査してください。怪しいアクセスがあれば即時対処が必要です。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSが脆弱性の技術的な深刻度を示すのに対し、EPSSは実際に悪用される可能性を示します。両方見ることで優先度判断がより正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-306(認証の欠如)に分類される脆弱性は他にも多数存在します。類似脆弱性に対しても認証設定の徹底が有効です。
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