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CVE-2026-55423 Langflowのセッション管理不備による認証バイパス脆弱性解説とAIエージェント運用者向け対策ガイド

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: Medium (CVSS 6.1)
  • 対象: langflow < 1.7.0
  • 修正: 1.7.1
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-06-23 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 3分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 2分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分
STEP 4 修正を適用する 環境により異なる
STEP 5 修正されたことを確認する 3分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-55423は、Langflowのログアウト機能にある脆弱性です。バージョン1.7.0未満のLangflowで、ログアウトしても前のユーザーのセッションが残り続け、攻撃者や不正利用者が別ユーザーとして操作できる可能性があります。この問題は、LLMゲートウェイやAgentフレームワークの運用者にとって最優先で対応すべき脆弱性です。

やさしく説明すると

ログアウトボタンは本来、利用者のセッションを完全に終了し、他の人が同じ端末を使っても前の人のデータが見えないようにします。しかし、この脆弱性があるバージョンでは、ログアウトボタンを押しても前のユーザー情報が残り続けます。言い換えると、玄関の鍵をかけたつもりがかかっておらず、勝手に合鍵で入れる状態が続いてしまうイメージです。結果として、他人があなたの権限で操作できてしまい、不正アクセスにつながります。

技術的な原因

この問題はCWE-613「セッション管理の失敗」というカテゴリに該当します。ログアウト時にブラウザの認証クッキーを削除しますが、サーバが設定したhttponlysamesitesecuredomain属性と一致する形で削除できていませんでした。その結果、ブラウザはクッキーを保持し続け、セッションが残ってしまいます。加えて、フロントエンド側でも認証情報をクリアしない実装が原因です。

影響を受けると何が困るか

  • 攻撃者や他の利用者が前のユーザーとしてシステムを操作できる
  • APIキーや認証情報を不正取得されるリスク
  • LLMのセッションコンテキストや保存データを盗まれる、改ざんされる可能性
  • AgentフレームワークやAI Gatewayの操作権が乗っ取られ、不正なワークフローが実行される
  • バイブコーダーなどAI駆動開発ツール利用中のユーザーデータ漏洩
  • 複数テナント環境での情報隔離が失われ、テナント間情報漏洩が起こるおそれ

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 中

判断根拠

  • CVSS v3.1スコアは6.1(Medium)。中程度のリスクで、実務的にはログイン後のセッション管理の問題として注意が必要
  • EPSSスコアは未提供。したがって悪用予測は不明
  • ランサムウェア悪用の報告はなし
  • 公開されたPoC(Proof of Concept)コードはありません
  • 攻撃条件は物理アクセスが必須(AV:P)で、低い攻撃複雑度(AC:L)ですが、ユーザー操作不要で認証不要です。つまり、物理的またはローカルアクセスのコンテキストに限られます
  • デフォルト設定でもセッションがクリアされないため、設定依存ではありません

誰が動くべきか

  • Langflowを利用しているAI Agentやワークフロー構築運用チーム
  • LLM Gateway本番投入チーム
  • Agentフレームワーク開発者および運用担当者
  • バイブコーダー開発者でLangflowを利用した作業環境を持つ場合

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
langflow (Pythonパッケージ) < 1.7.0 1.7.1

バージョン確認コマンド

Python (pip)

pip show langflow

出力例:

Name: langflow
Version: 1.6.9
Summary: AI-powered agent and workflow builder
Home-page: https://github.com/langflow-ai/langflow

判定: バージョンが 1.7.0 未満なら脆弱です。

Python (pip list)

pip list | grep langflow

出力例:

langflow              1.6.9

判定: バージョンが 1.7.0 未満なら脆弱。

設定確認

この脆弱性はログアウト時のセッション削除失敗が根本原因です。 設定に依存しないため、バージョンが対象範囲なら安全ではありません。 特に以下の環境変数設定が影響しますが、修正はバージョンアップでのみ対応可能です。

  • LANGFLOW_AUTO_LOGIN: "False"
  • LANGFLOW_SUPERUSER とパスワード設定
  • LANGFLOW_SECRET_KEY

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python (pip)でアップグレード

pip install --upgrade langflow==1.7.1

判定: 実行後、バージョンが 1.7.1 以上になればパッチ適用済み。

注意: 本番環境でパッチ適用前に必ずバックアップを取得してください。影響範囲確認のため、ステージングでの動作検証を推奨します。システムダウンタイム計画を立てた上で実施してください。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

ベンダー公式からの暫定回避策や設定変更の提示はありません。ログアウト機能を利用する端末の物理的アクセス制御を厳格化し、不要な共有は避けてください。ネットワーク隔離やWAF/IPSルールによる保護も検討しましょう。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3 で実行したバージョン確認コマンドを再度実行してください。

期待される出力

Python (pip)

pip show langflow

出力例:

Name: langflow
Version: 1.7.1
Summary: AI-powered agent and workflow builder
Home-page: https://github.com/langflow-ai/langflow

判定: バージョンが 1.7.1 以上ならOK。

Python (pip list)

pip list | grep langflow

出力例:

langflow              1.7.1

判定: バージョンが 1.7.1 以上なら安全です。

追加で確認すべきこと

本CVEに関する公開Nucleiテンプレートは現状ありません。バージョンアップ後はログやアクセス記録に不審なセッション継続やログアウト後の権限切り替わりが発生していないか監査してください。

補足: 悪用観測状況

現時点でCISA KEVには未登録で、ランサムウェアなどの悪用報告はありません。公開されているPoCもないため、実際の攻撃に利用されている証拠はありません。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV (攻撃元): Physical(物理アクセスが必要)
  • AC (攻撃複雑度): Low(攻撃手順は単純)
  • PR (必要権限): None(認証不要)
  • UI (ユーザ操作): None(被害者の操作不要)
  • S (スコープ): Unchanged(影響範囲は元の権限内)
  • C (機密性への影響): High(重要情報漏洩の可能性)
  • I (完全性への影響): High(データ改ざんの可能性)
  • A (可用性への影響): None(システム停止は起こらない)

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. STEP 3でバージョン確認し、対象ならSTEP 4の修正版(1.7.1)にアップデートしてください。続いてSTEP 5で修正が適用されているか確認しましょう。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. STEP 4の暫定対応を実施し、物理アクセス制御を強化してください。ネットワークの隔離も検討してください。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. ログイン・ログアウトのセッション管理ログを精査し、異常なセッション継続や不正なユーザー切り替えを探してください。現状では特定のIOCは公開されていません。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは脆弱性の技術的深刻度を示しますが、EPSSは「実際に悪用される確率」を表します。両方を参考に優先対応の判断が正確になります。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. CWE-613「セッション管理の不備」に分類される脆弱性は他にも多数あります。セッション関連の脆弱性はAI製品のセキュリティに頻発しているため注意が必要です。

参考文献

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