CVE-2026-70491 Open WebUIで認証済み読み取り専用ユーザーに情報漏洩の脆弱性が判明 AI Security対策ガイド

結論
- 危険度: Medium (CVSS 6.5)
- 対象: open-webui <= 0.10.2
- 修正: 0.11.0
- KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
| 表記 | 条件 | 意味 | 対応目安 |
|---|---|---|---|
| 【至急/ランサム悪用】 | CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 | ランサムグループが現在進行形で悪用 | 本日中に対応開始 |
| 【至急/重大】 | CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 | 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い | 本日中に対応開始 |
| 【重大/KEV登録】 | CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) | 実世界で攻撃観測あり | 数日以内 |
| 【最重大】 | CVSS 9.5以上(KEV未登録) | 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない | 1週間以内に対応計画 |
| 【重大】 | CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) | Critical帯の理論的高リスク | 1〜2週間以内 |
| 【高】 | CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) | High帯のリスク | 計画的に対応 |
| (プレフィックスなし) | CVSS 7.0未満 | Medium以下のリスク | 通常メンテで対応 |
「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。
最終更新: 2026-08-04 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。
| STEP | やること | かかる目安 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 何が起きているか理解する | 3分 |
| STEP 2 | 急ぎ対応すべきか判断する | 2分 |
| STEP 3 | 自分の環境が対象か確認する | 5分 |
| STEP 4 | 修正を適用する | 環境による |
| STEP 5 | 修正されたことを確認する | 3分 |
STEP 1: 何が起きているか
一言でいうと
CVE-2026-70491はOpen WebUIのバージョン0.10.2以前にある脆弱性で、攻撃者は管理者権限なしに他ユーザーのAPIキーや認証情報を含むツールのPythonコードを読み取れます。LLMゲートウェイやAIプラットフォームの運用者にとって最優先対応が必要です。
やさしく説明すると
これはユーザー間で共有されているAIツールの「裏側の設計書」を、許可があまりない人でも読めてしまう問題です。例えると、誰でも入れる玄関から「家の中のサイン付き書類」が丸見えになるような状況です。そこにはAPIキーやパスワードも書かれていることがあり、攻撃者に握られると大きなトラブルになります。
技術的な原因
この脆弱性はCWE-200「情報露出(Information Exposure)」に分類されます。Open WebUIのAPIのうち、GET /api/v1/tools/やGET /api/v1/tools/listなどのエンドポイントが、認証された非管理者ユーザーに対して本来隠すべきソースコードを含む完全なツール情報を返しています。具体的には、ToolResponseが意図的に除外しているソースコードを、ToolUserResponseが許可なしに含めてしまった設計ミスです。
影響を受けると何が困るか
- 他ユーザーのサーバー上にあるAPIキー(OpenAIやAnthropicなど)の漏洩
- LLMのプロンプトや顧客データを含むコンテキスト情報の窃取
- エージェントによる権限のない操作や悪用の足掛かり
- RAG(Retrieval-Augmented Generation)データやモデル設定の改ざんリスク
- 請求コストの不正な増加
- テナント間の情報境界破壊による情報漏洩
- CursorやCline、GitHub CopilotなどAIコーディングツール経由で.localファイル読み取りや任意コード実行の足掛かり
- IDE拡張機能の遠隔操作リスク増大
- .envファイルや認証情報の漏洩による二次被害
もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ
本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。
| カテゴリ | 情報源 | 言語 | 何が分かるか | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 総合 | NVD(米国 NIST) | 英 | 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 | 開く |
| 総合 | MITRE CVE | 英 | CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 | 開く |
| 総合 | JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) | 日 | 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 | 開く |
| 総合 | CISA KEV(悪用観測カタログ) | 英 | 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 | 開く |
| 総合 | GitHub Advisory Database | 英 | OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 | 開く |
| 総合 | OpenCVE | 英 | 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 | 開く |
| Linux | Red Hat CVE | 英 | Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| Linux | Ubuntu Security | 英 | Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 | 開く |
| Linux | Debian Security Tracker | 英 | Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディストリ利用者向け。 | 開く |
| Linux | SUSE CVE | 英 | SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 | 開く |
| 悪用 | Exploit Database | 英 | 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 | 開く |
| 悪用 | Packet Storm Security | 英 | セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 | 開く |
| 悪用 | GitHub PoC 検索 | 英 | GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 | 開く |
| 悪用 | X(Twitter)検索 | 日英 | 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 | 開く |
| スキャナ | Snyk Vulnerability DB | 英 | パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 | 開く |
| スキャナ | Tenable(Nessus) | 英 | Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 | 開く |
| スキャナ | Rapid7(Metasploit/Nexpose) | 英 | Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 | 開く |
掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。
STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する
結論: 中
判断根拠
- CVSS v3.1スコアは6.5のMedium(中程度の危険度)、実務的には計画的な対応が必要
- EPSS(悪用予測スコア)のデータは未提供であり、現時点で悪用実績は確認されていない
- ランサムウェアによる悪用は不明(CISA KEV未登録、悪用状況が報告されていない)
- 公開PoC(証明コード)は存在せず、攻撃は現状で広く拡散していない
- 攻撃は認証された非管理者アカウントで可能。ネットワーク経由で直接攻撃できる点で注意が必要
誰が動くべきか
- LLM GatewayやOpen WebUIを本番投入している運用チーム
- Agentフレームワーク開発者(特にOpen WebUIプラグインを活用している場合)
- バイブコーダー開発者(Cursor、Cline、GitHub CopilotなどのAI駆動開発を行う人)
- AI GatewayやLLM Proxyを本番環境で運用するSRE/SecOpsチーム
STEP 3: 自分の環境が対象か確認する
影響を受けるバージョン
| 製品 | 脆弱なバージョン範囲 | 修正版 |
|---|---|---|
| open-webui | 0.10.2 以下 | 0.11.0 |
バージョン確認コマンド
Python(pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.10.2
Summary: Open WebUI - extensible & feature-rich self-hosted AI platform
判定: Version が 0.10.2 以下なら脆弱、0.11.0 以上なら安全
Python(pipの代わりにpoetryを使う場合)
poetry show open-webui
出力例:
name : open-webui
version : 0.9.5
description : Open WebUI - extensible & feature-rich self-hosted AI platform
判定: version が 0.10.2 以下なら脆弱、0.11.0 以上なら安全
設定確認
今回の脆弱性は認証が有効(WEBUI_AUTH=true)かつプラグインも有効(ENABLE_PLUGINS=true)で、なおかつ読み取り権限のみのユーザーが対象です。設定依存ではありますが、バージョンが脆弱範囲なら対応が必須です。
Nucleiテンプレートでの検出
公開されているNucleiテンプレートはありません。検出はバージョン確認で行ってください。
STEP 4: 修正を適用する
パッチ適用
Python(pipでのアップグレード)
pip install --upgrade open-webui
出力例:
Collecting open-webui
Downloading open-webui-0.11.0-py3-none-any.whl (XY kB)
Installing collected packages: open-webui
Successfully installed open-webui-0.11.0
判定: インストール後に open-webui 0.11.0 以上が入ればOK
注意: パッチ適用前には必ずバックアップを取得してください。独自カスタムがある場合はステージング環境で動作確認を行い、本番環境のダウンタイム計画を立ててください。
パッチ即時適用ができない場合の暫定対応
公式から暫定対応は示されていません。外部からのAPIアクセス制限やプラグイン一時無効化、権限設定の見直しによるリスク軽減を検討してください。
STEP 5: 修正されたことを確認する
STEP 3 と同じバージョン確認コマンドを再実行してください。
期待される出力
Python(pip)
pip show open-webui
出力例:
Name: open-webui
Version: 0.11.0
Summary: Open WebUI - extensible & feature-rich self-hosted AI platform
判定: バージョンが 0.11.0 以上ならOK
追加で確認すべきこと
- 設定変更や再起動後も動作に問題がないかをモニタリング
- ログに認証されていないユーザーからAPIアクセスなど不審な動きがないか確認
- 可能ならNucleiやサードパーティスキャナで再検査を行う
補足: 悪用観測状況
現時点でCISA KEVに登録されておらず、ランサムウェアグループによる悪用も確認されていません。GitHub上に公開PoCも存在せず、実際の攻撃報告はありません。とはいえAPIキーなど重要情報が漏洩するため、今後攻撃が増加する可能性はあります。計画的な対応が必要です。
補足: CVSSメトリクス詳細
- AV (Attack Vector: 攻撃元): NETWORK – ネットワーク経由で攻撃可能
- AC (Attack Complexity: 攻撃複雑度): LOW – 攻撃は比較的簡単
- PR (Privileges Required: 必要権限): LOW – 認証された非管理者で可能
- UI (User Interaction: ユーザ操作): NONE – 攻撃に被害者の操作不要
- S (Scope: スコープ): UNCHANGED – システム範囲は変化しない
- C (Confidentiality Impact: 機密性影響): HIGH – 機密情報が漏れる
- I (Integrity Impact: 完全性影響): NONE – データ改ざんは発生しない
- A (Availability Impact: 可用性影響): NONE – サービス停止は発生しない
よくある質問(FAQ)
Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?
A. STEP 3で自分の環境のopen-webuiバージョンを確認し、脆弱な場合はSTEP 4で0.11.0以上にアップデートしてください。その後STEP 5で適用済みを確認します。
Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?
A. パッチ適用が即時できない場合はAPIアクセス制限やプラグイン無効化でリスクを減らしてください。強いアクセス権を持つユーザーの管理を厳重にすることも重要です。
Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?
A. サーバーログで不正なAPIアクセスや認証されていないユーザーの操作痕跡を監視してください。GitHub AdvisoryのIOCやベンダーの追加情報を参照してください。
Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?
A. CVSSは脆弱性の深刻度を示しますが、EPSSはその脆弱性が実際に悪用される確率を示します。両方を見ると対応優先度の判断が正確になります。
Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?
A. CWE-200「情報露出」に分類される脆弱性は多くの製品で報告されています。特にAIプラットフォームやAgent系ツールで同様の設計ミスが発生する可能性があります。
参考文献
- NVD – CVE-2026-70491
- GitHub Commit – 脆弱性修正コード
- GitHub Pull Request #27005
- Open WebUI v0.11.0 リリース情報
- GitHub Advisory Database – GHSA-3r7g-q6cg-q2vx
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