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CVE-2026-70493 Open WebUIの正規表現爆発によるDoS脆弱性解説とAI Security運用者向け対応策

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本記事は公開時点の情報をもとにした速報記事です。内容が更新される場合があるため、必要に応じてベンダー公式情報や一次情報もあわせて確認してください。

目次

結論

  • 危険度: Medium (CVSS 6.5)
  • 対象: open-webui >= 0.9.6, < 0.11.0
  • 修正: 0.11.0
  • KEV: No (NVD Critical由来。CISA KEVには未登録)
タイトルの緊急度プレフィックス(【至急】【最重大】等)の意味
表記 条件 意味 対応目安
【至急/ランサム悪用】 CISA KEV登録 + ランサムウェア悪用観測 ランサムグループが現在進行形で悪用 本日中に対応開始
【至急/重大】 CISA KEV登録 + CVSS 9.0以上 実世界で攻撃観測あり + スコア極めて高い 本日中に対応開始
【重大/KEV登録】 CISA KEV登録(CVSS低またはNVD未反映) 実世界で攻撃観測あり 数日以内
【最重大】 CVSS 9.5以上(KEV未登録) 理論上の危険度ほぼ満点、攻撃観測はまだない 1週間以内に対応計画
【重大】 CVSS 9.0〜9.4(KEV未登録) Critical帯の理論的高リスク 1〜2週間以内
【高】 CVSS 7.0〜8.9(KEV未登録) High帯のリスク 計画的に対応
(プレフィックスなし) CVSS 7.0未満 Medium以下のリスク 通常メンテで対応

「至急」と「最重大」の違い: 「至急」は CISA(米国政府機関)が 実際に悪用を観測した CVEに付与されます。「最重大」は CVSS スコア上は最高峰だが、まだ悪用観測がない ものです。同じCVSS 9.8でもKEV登録の有無で扱いが変わります。

最終更新: 2026-08-04 | 本記事は公式情報をもとに作成しています。最新情報はベンダー公式アドバイザリを必ずご確認ください。

STEP やること かかる目安
STEP 1 何が起きているか理解する 3分
STEP 2 急ぎ対応すべきか判断する 3分
STEP 3 自分の環境が対象か確認する 5分〜環境による
STEP 4 修正を適用する 15分〜作業計画次第
STEP 5 修正されたことを確認する 3分

STEP 1: 何が起きているか

一言でいうと

CVE-2026-70493は、open-webuiのバージョン0.9.6から0.11.0未満で、悪意あるチャット参加者が正規表現(regex)パターンを使い、1CPUコアを専有して処理を止める攻撃が可能な脆弱性です。AI GatewayやLLM Proxyを使う運用者にとって、サービス停止リスクがあるため最優先の対応が必要です。

やさしく説明すると

想像してください。玄関の呼び鈴が鳴ったら鍵を開けている間は他に鍵を開けられません。この脆弱性は、正しく制御されない検索パターンをチャット参加者が渡せるため、その「鍵開け作業」がいつまでも終わらず、ほかの利用者がサービスを使えない状況を作っています。つまり、攻撃者がサービス全体を遅くしたり停止させたりできる問題です。

技術的な原因

この問題はCWE-1333「Excessive CPU Consumptionによるサービス拒否(DoS)」に該当します。対象となるのは、Python言語の正規表現エンジンのバックトラッキングで、メタ文字を含む複雑なパターンを制限なく処理します。制限がないため、工夫された正規表現パターンはCPUを長時間占有し、イベントループが停止して他ユーザーに影響を与えます。

影響を受けると何が困るか

  • チャット参加者が悪意ある正規表現を実行し、AI Gateway WorkerのCPUを専有してサービス全体の停止を引き起こす
  • 結果として、複数顧客が利用するマルチテナント環境でテナント間の影響があり、 availability(可用性)が低下する
  • LLM ProxyやAgentフレームワークで共有サーバやワーカーを使う場合、全利用者の応答が停止し、サービスSRE/SecOpsの運用品質に直結する
  • バイブコーダー開発者は、open-webuiを利用中に突然処理遅延や無応答で開発効率が落ちる可能性

もっと詳しく調べたい人へ — 公式情報源マップ

本記事は以下の公式・準公式の情報源から内容を集約しています。一次情報を確認したい場合や英語で詳細を読みたい場合は、各リンクから直接アクセスできます。

カテゴリ 情報源 言語 何が分かるか リンク
総合 NVD(米国 NIST) 米国政府の脆弱性データベース。CVSSスコア、影響を受けるCPE、参考リンクの総合ハブ。最も網羅的。 開く
総合 MITRE CVE CVE採番機関の公式記録。CVE記述の「正本」。NVDより記載が簡潔だが一次情報。 開く
総合 JVN iPedia(JPCERT/CC・IPA) 日本のCSIRTが運用する脆弱性対策情報データベース。日本語で概要・対策が読める。掲載がない場合あり。 開く
総合 CISA KEV(悪用観測カタログ) 米国CISAが実際に悪用を確認している脆弱性のカタログ。掲載されていれば最優先で対応。 開く
総合 GitHub Advisory Database OSSパッケージ(npm/pypi/maven/composer/go等)別の脆弱性アドバイザリ。修正PRへのリンクが豊富。 開く
総合 OpenCVE 複数CVEデータベースの集約検索サービス。タイムラインや関連CVEの俯瞰に有用。 開く
Linux Red Hat CVE Red Hat製品(RHEL/CentOS Stream/Rocky/AlmaLinux系)の影響評価とパッチ状況。 開く
Linux Ubuntu Security Ubuntu の影響評価。各Ubuntuバージョン(22.04/24.04等)でのパッチ提供状況が一目で分かる。 開く
Linux Debian Security Tracker Debian の影響評価。stable/testing/sid別のパッチ状況。Debian派生ディスト利用者向け。 開く
Linux SUSE CVE SUSE Linux Enterprise / openSUSE の影響評価とパッチ状況。 開く
悪用 Exploit Database 公開エクスプロイトのアーカイブ。検出ツールやペネトレーションテストでの参照用。 開く
悪用 Packet Storm Security セキュリティアドバイザリ・エクスプロイトの集約サイト。古めの情報も含む。 開く
悪用 GitHub PoC 検索 GitHubコード検索でCVE IDを直接検索。野良PoCの早期発見に。 開く
悪用 X(Twitter)検索 日英 直近の議論やニュースを観測。In-the-wild悪用の早期検知に有用。 開く
スキャナ Snyk Vulnerability DB パッケージ別の脆弱性詳細と修正バージョン。OSS依存ライブラリ追跡に有用。 開く
スキャナ Tenable(Nessus) Nessusスキャナでの検出プラグイン情報。検出ロジックの参考に。 開く
スキャナ Rapid7(Metasploit/Nexpose) Metasploit悪用モジュール、Nexposeでの検出情報。 開く

掲載しているのは無料でアクセスできる情報源のみです。CVEによっては掲載がないサイトもあります(特にJVN iPediaは日本国内で報告された脆弱性のみ掲載)。

STEP 2: 急ぎ対応すべきか判断する

結論: 中

判断根拠

  • CVSS v3.1スコアは6.5で、攻撃難易度は低くサービス停止リスクは高いが機密情報漏洩はないため「中」レベル
  • EPSS(悪用予測スコア)は未提供。
  • ランサムウェアによる悪用は判明していない。
  • 公開PoCコードや積極的な攻撃報告は未確認。
  • ネットワーク経由で低権限な認証ユーザーが対象。ユーザ操作は不要。
  • デフォルト設定のままだと「knowledge builtin tool」が有効で脆弱。

誰が動くべきか

  • open-webuiをLLM GatewayやAIプラットフォームとして運用するSRE/SecOpsチーム
  • AgentフレームワークやLLM Proxy構築者・運用者
  • AI駆動開発やバイブコーダー開発者でopen-webuiを利用し、UXや信頼性を重視する開発者

STEP 3: 自分の環境が対象か確認する

影響を受けるバージョン

製品 脆弱なバージョン範囲 修正版
open-webui (Pythonパッケージ) >= 0.9.6, < 0.11.0 0.11.0

バージョン確認コマンド

Python (pip)

pip show open-webui

出力例:

Name: open-webui
Version: 0.10.2
Summary: Open WebUI AI platform
...

判定: バージョンが 0.9.6 以上かつ 0.11.0 未満なら脆弱

Python (pip listでgrep)

pip list | grep open-webui

出力例:

open-webui          0.10.2

判定: バージョンが 0.9.6 以上かつ 0.11.0 未満なら脆弱

設定確認

この脆弱性はデフォルトでknowledge builtin toolが有効な設定で発生します。設定 “ENABLE_KB_EXEC” はデフォルトで False ですが、knowledge検索処理でgrepが影響を受けます。設定変更で無効化する案もありますが、ベンダーは0.11.0で根本修正を推奨しています。設定依存ではなくバージョンに依存します。

Nucleiテンプレートでの検出

本CVEに対応する公開Nucleiテンプレートは見つかっていません。バージョン確認による検証のみ推奨します。

STEP 4: 修正を適用する

パッチ適用

Python (pip)

pip install --upgrade open-webui

出力例:

Successfully installed open-webui-0.11.0

判定: バージョンが 0.11.0 以上になれば修正済み

注意: アップグレード前に必ずバックアップを取得してください。可能な限りステージング環境で検証し、メンテナンス時間帯にダウンタイム計画を立てて実施してください。

パッチ即時適用ができない場合の暫定対応

ベンダーおよびアドバイザリで正式な暫定対応は提示されていません。可能ならknowledge builtin toolを無効にするか、該当機能をオフにして悪用リスク軽減が検討できますが根本的な解決ではありません。

STEP 5: 修正されたことを確認する

STEP 3で実行したバージョン確認コマンドを再度実行してください。

期待される出力

Python (pip)

pip show open-webui

出力例:

Name: open-webui
Version: 0.11.0
Summary: Open WebUI AI platform
...

判定: バージョンが 0.11.0 以上ならOK

Python (pip listでgrep)

pip list | grep open-webui

出力例:

open-webui          0.11.0

判定: バージョンが 0.11.0 以上ならOK

追加で確認すべきこと

可能ならNucleiスキャンが提供された場合は再度実施すること。また、ログから異常にCPU時間を専有された形跡やイベントループの停止がなかったか監視し、不審な入力パターンがないかを調査してください。

補足: 悪用観測状況

現時点でCISA KEVには登録されていません。ランサムウェアグループの悪用も報告されていません。また、GitHub上での公開PoCやExploit Databaseに該当はありません。以上から、積極的な悪用はまだ確認されていない状況です。

補足: CVSSメトリクス詳細

  • AV (Attack Vector: 攻撃元): N (Network) ネットワーク経由で攻撃可能
  • AC (Attack Complexity: 攻撃複雑度): L (Low) 攻撃は簡単
  • PR (Privileges Required: 必要権限): L (Low) 低い権限で実行可能
  • UI (User Interaction: ユーザ操作): N (None) ユーザー操作不要
  • S (Scope: 影響範囲): U (Unchanged) 範囲変更なし
  • C (Confidentiality: 機密性影響): N (None) 機密性には影響なし
  • I (Integrity: 完全性影響): N (None) 完全性には影響なし
  • A (Availability: 可用性影響): H (High) 可用性を大きく損なう

よくある質問(FAQ)

Q. このCVEに対応するために最低限すべきことは何ですか?

A. STEP 3のバージョン確認を行い、対象バージョンであればSTEP 4でバージョンを0.11.0にアップデートしてください。その後STEP 5で修正の確認を行います。

Q. パッチが適用できない場合、どうすればよいですか?

A. 残念ながら公式の暫定対応策はありませんが、知識検索機能の無効化やネットワーク隔離で攻撃影響を減らす検討をしてください。

Q. 既に攻撃を受けているか確認する方法はありますか?

A. ログでCPUを長時間専有する正規表現パターンの使用や、イベントループの停止・遅延がないかを監査してください。公式のIOCやシグネチャは未提供です。

Q. なぜEPSSスコアが重要なのですか?

A. CVSSは技術的な危険度を示しますが、EPSSは実際に悪用される確率を示すため、両者を見ると対応優先度がわかりやすくなります。本CVEはEPSS情報なしです。

Q. このCVEと類似の脆弱性は他にもありますか?

A. CWE-1333に分類されるCPU過剰消費によるサービス拒否は古くからあります。特にAI SecurityやLLM Proxyなどで過剰な正規表現処理が原因となる例は他にも発生しています。

参考文献

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